2024.02.15

不動産投資なら駐車場経営?駐車場経営のメリットや利回り相場も紹介

不動産投資として駐車場経営を検討している方へ向けて、駐車場経営の仕組みやメリット、注意点を解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html

不動産投資としての駐車場経営とは?

不動産投資とは、所有する建物や土地などの不動産物件を運用して利益を得ることです。たとえば、マンションやアパートを購入し、入居者に貸し出すことで賃料を得る賃貸住宅経営や所有する土地を活用して駐車場を経営することは不動産投資の1つです。今回は不動産投資として気軽に始められる駐車場経営について、そのメリットや注意点などを詳しく解説します。
始めに、駐車場経営には主に3つの経営方式があることを押さえておきましょう。1つ目は自分で駐車場経営を行う「自主管理方式」。2つ目は駐車場の管理を専門の管理会社に委託する「管理委託方式」。3つ目は土地を駐車場運営会社に貸し、その土地の賃料を毎月もらう「一括借り上げ方式」です。
また、経営する駐車場は大きく分けて2つあります。まずは2つの駐車場の特徴を見ていきましょう。

月極駐車場経営

月極駐車場とは、契約を結んだ利用者に月単位で貸し出す駐車場のことです。月極駐車場を経営することで得られる収入には、駐車料収入のほか、「敷金や保証金などのうち、返還を要しないもの」が含まれます。
月極駐車場を経営するメリットは、初期費用を抑えて始められることです。たとえば、運営管理に必須な設備がないため、初期費用を抑えることができます。
ただ、一方で、駐車場の空き状況によっては不正駐車が発生する恐れがあり、不正利用を防ぐためには防犯カメラの設置や見回りを行う必要があります。なお、三井のリパークでは、一括借り上げ方式の場合、防犯カメラの設置や見回りは三井のリパークが行います。定期的な管理が難しい場合は、管理会社への委託も検討してみてください。
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コインパーキング経営

コインパーキングとは、利用者が利用した時間分の駐車料金が支払われる駐車場のことです。コインパーキングの経営では、その稼働率、たとえば、車が出入りする回数や駐車時間によって収入が変化します。
コインパーキングを経営するメリットは、料金の設定や立地場所を工夫することによって収入が大きくなる可能性があることです。たとえば、駅や病院、商業施設の近くなど、一時的に駐車スペースを必要とする人が多い場所での需要は高く、そのような場所で、利用者にとって競合よりも魅力的な料金設定を行えば、高い収益を得られる可能性がより高くなります。
一方で、自主管理方式の場合、運営管理に必要な精算機やロック板、ゲートなどの設備や防犯カメラの設置にかかる費用など、さまざまな初期費用がかかるため、予算計画を立て、コスト試算をしていくことが大切です。
コインパーキングの風景

不動産投資として駐車場経営をするメリット

不動産投資として駐車場経営をするメリットは主に以下の3つです。
・初期費用を抑えられる
・転用性が高い
・土地の大きさや状況を問わず経営が可能
上記のように、土地活用の方法として柔軟性があり、費用を抑えて気軽に始められることが駐車場経営のメリットであり、人気の理由です。それぞれについてさらに詳しく見ていきましょう。

初期費用を抑えられる

駐車場経営は、土地の整備にかかる費用は必要ですが、建物の建設を行わないため、新たにアパートやマンションを建てる賃貸住宅経営と比べて初期費用を抑えることができます。
また、コインパーキングを経営する場合は、前述のように運営管理に必要な設備投資が発生しますが、どのような管理運営方式を選ぶかによって必要な初期費用の額が大きく変わります。たとえば、一括借り上げ方式のように、専門の業者に管理を任せる方法を選べば、初期の設備投資にかかる費用を負担することなく経営を始めることができるので、初期費用を抑えて気軽に不動産投資を始めたい方におすすめの方法です。

転用性が高い

駐車場経営のメリットの1つとして、万が一満足のいく結果が得られず、別の業態に変えたいと思った場合でも、ほかの不動産活用の方法に転用しやすいことが挙げられます。駐車場経営は、建物を建てたり、大きな工事を行ったりする必要がありません。駐車場に使っていた土地を、更地にしたい、別の用途に転用したい、土地を売却したいという場合にも、建物が建っている場合に比べて、時間をかけずに柔軟に対応することができます。

土地の大きさや状況を問わず経営が可能

駐車場経営は、変形地や狭小地でも行える可能性があります。賃貸住宅経営やコインランドリー経営の場合、建築基準法による制限によって、変形地や狭小地では経営が難しいケースが見られます。一方、駐車場は、建物を建設する際にはデッドスペースとなりやすいような空間でも、経営できる可能性があります。ただ、そのような特色のある場所で駐車場経営を行う際は、事前に市場調査を行ったほうがよいケースもあるため、専門の運営事業者のようなプロに相談することもご検討ください。
土地活用の提案をする不動産会社の営業担当

不動産投資として駐車場経営をする際の注意点

ここからは、不動産投資として駐車場経営をする際の注意点を解説していきます。駐車場経営を始めるにあたり、押さえておくべき情報として確認しておきましょう。

税金の負担がかかる

駐車場経営を行うときにかかる税金には、土地や建物などにかかる固定資産税と都市計画税に加えて、収入や所得に対してかかる事業税や所得税があります。また、駐車場の形態や運営方式によって、消費税がかかる場合があります。不動産投資として駐車場経営を始める方は、予算計画を立て、コストを試算する際に必要な知識として、どのような税金がどのくらい発生するのか、経営を始める前に把握しておきましょう。
●駐車場経営にかかる税金に関する記事はこちら

競合が多い

駐車場経営は、コストとリスクを抑えて始められるため、不動産投資のなかで人気が高く、場所によっては競合の駐車場が多いことが注意点として挙げられます。競合の駐車場が多くある場合、ほかと差別化することが難しく、価格競争が激しくなってしまう恐れがあります。
競合が多くあるケースでは、望む収益が本当に見込めるかを予測するために、周辺地域の市場調査を行いましょう。ただ、自分で調査しようとすると時間や手間がかかります。必要に応じて、不動産会社や専門の調査会社に依頼し、プロの力を頼ることも検討してみるとよいでしょう。周囲に競合となる駐車場がどのくらいあるか、それらの駐車場の料金体系や稼働率がどのくらいかを把握できれば、自分が経営する駐車場の料金を適切に設定しやすくなります。

不動産投資における駐車場経営の利回りとは?

利回りとは投資した金額に対して収益がどのくらいの割合になるかという回収率を示したもので、利回りの数値は投資金額をどの程度効果的に活用できるかを判断する材料になります。この利回りには、「表面利回り」と「実質利回り」の2つがあります。以下で計算式と一緒に見ていきましょう。
・表面利回りの計算式
表面利回り(%) = (満車時の年間収入 × 稼働率) ÷(土地の取得価格 + 初期(投資)費用) × 100
・実質利回りの計算式
実質利回り(%) = (満車時の年間収入 × 稼働率 - 諸費用) ÷ (土地の取得価格 + 初期(投資)費用) × 100
上記のように、表面利回りの計算式は、土地の価格と初期費用に対して、駐車場の稼働率を考慮し、どの程度の収入が見込めるかを表す数字で、どのぐらいの収益性があるかをおおまかに判断するときに役立つ数字です。一方、実質利回りの計算式では、土地の価格と初期費用に対して、収入額から維持管理費や税金を含めた「諸費用(諸経費)」を引いたうえで、回収率を算出します。諸費用が計算式に含まれた実質利回りのほうがより現実的な利回りの数値であるため、投資の判断を行う際、可能であれば、実質利回りを確認しましょう。

駐車場経営における実質利回りの相場例

ここからは、月極駐車場経営とコインパーキング経営で想定される、表面利回り(自主管理方式の場合)の一例をご紹介します。※1

月極駐車場経営の場合

Aさんが経営する月極駐車場の土地の広さや駐車可能台数、稼働率は下記の通りです。
・土地の広さ:30坪
・駐車可能台数:6台
・稼働率:50% 
都市によって、利回りの計算に関係する「駐車料金の相場」「土地価格」が異なるため、上記の条件を元に、4都市別に、月極駐車場の表面利回りを算出したのが下記の表です。
<例>都市別の月極駐車場の表面利回り一例
都市名 満車時年間収入
× 稼働率 ※2
土地価格 初期費用 表面利回り
新宿区(東京都)の
土地A
969,084円 63,570,248円 ※3 495,868円 1.51%
名古屋市(愛知県)の
土地B
245,988円 19,963,636円 ※4 495,868円 1.20%
札幌市(北海道)の
土地C
447,588円 10,135,537円 ※5 495,868円 4.21%
富山市(富山県)の
土地D
209,988円 3,857,851円 ※6 495,868円 4.82%

コインパーキング経営の場合

Bさんが経営するコインパーキングの土地の広さや駐車可能台数、稼働率は下記の通りです。
・土地の広さ:30坪
・駐車可能台数:6台
・稼働率:50% 
上記の3つの条件はAさんの月極駐車場と同じです。それでは、コインパーキングの経営をした場合の表面利回りがどのようになるか、4都市別に見ていきましょう。
<例>都市別のコインパーキングの表面利回り一例
都市名 満車時年間収入
× 稼働率
土地価格 初期費用 表面利回り
新宿区(東京都)の
土地A
18,658,800円 63,570,248円 2,165,868円 28.38%
名古屋市(愛知県)の
土地B
13,849,560円 19,963,636円 2,165,868円 62.58%
札幌市(北海道)の
土地C
11,221,560円 10,135,537円 2,165,868円 91.22%
富山市(富山県)の
土地D
8,409,600円 3,857,851円 2,165,868円 139.61%
上記は一例であり、諸費用を加味した実質利回りではないため、数字を見る際には注意が必要ですが、全ての4都市で、月極駐車場よりもコインパーキングを経営するほうが表面利回りの数値が高いことが分かります。
コインパーキングの経営を始める際、自分自身で運営する自主管理方式の場合、上記の表の「初期費用」を土地のオーナーが負担する必要があります。コインパーキングを運営するために、たとえば、駐車マスのライン引き(約7万円)、車止め(1台)や看板、照明等の設置(約15万~30万円)、料金精算機(1台40万~50万円程度)、ロック板(1台10万円程度)、必要に応じて監視カメラ(1台15万~20万円)などをそれぞれ設置する費用がかかります。
なお、一括借り上げ方式で、三井のリパークに運営を委託する場合、上記の初期投資費用(アスファルト舗装を除く)を負担せずに経営を始めることができます。加えて、一括借り上げ方式では、稼働率に影響されずに安定した収入を得ることができます。
駐車場収入や利回りの計算

駐車場経営を成功させるコツ

ここからは、駐車場経営を成功させるためのコツを3つ紹介していきます。以下でポイントを押さえておきましょう。

立地場所にこだわる

駐車場経営を成功させるためには、どのような場所で需要が高いのかを見極めることが重要です。たとえば、月極駐車場を設置する場所は、住宅地や、駐車場が少ないマンションの近くなどが向いています。また、コインパーキングを設置する場所としては、観光地や駅、商業施設、病院の近くなど、一時的に駐車するスペースが求められる場所での需要が高いと考えられます。ただ、いずれの場合も、既に競合の駐車場が周辺に多くある可能性があり、前述した市場調査や、後述する適切な料金設定が必要になる場合があることを押さえておきましょう。

適切な料金設定をする

駐車場経営においては、適切な料金設定をすることも重要です。たとえば、周辺の駐車場と比べて、極端に高い料金にしてしまうと利用者は集まりませんし、料金の設定を安くし過ぎると収入が増えません。どの程度の料金設定が利用者にとって魅力的か、競合との差別化を図るためにはどの程度の料金を設定するのがよいかを判断する材料を得るために、周辺の市場調査を行うことをおすすめします。なお、コインパーキングの場合は、時間単位の料金と最大料金それぞれを考慮した料金設定が必要になることを押さえておきましょう。
駐車場の料金表

管理を業者に任せる

駐車場経営には、前述のように、「自主管理方式」「管理委託方式」「一括借り上げ方式」といった3つの経営方式があります。「自主管理方式」ではなく、専門の業者に管理してもらう「管理委託方式」か、土地を駐車場運営会社に貸して賃料をもらう「一括借り上げ方式」で行うことも選択肢の1つとして検討してみてください。コインパーキング経営は、事業を始めるときの初期投資費用が月極駐車場よりも多くかかりますが、たとえば、一括借り上げ方式を選べば、初期費用を運営会社が負担してくれるケースが多くあります。そのうえ、一括借り上げ方式なら、駐車場の稼働率に関係なく、安定した収入を得られることも経営者が魅力を感じやすいポイントです。

不動産投資で駐車場経営を検討するなら三井のリパークへ!

ここまで、駐車場経営の仕組みや、不動産投資として駐車場経営をするメリットや注意点などを紹介してきました。駐車場経営を始めるとき、事業の運営管理にかかる費用を知り、周辺地域や競合の駐車場をリサーチして適切な料金設定を行うことが経営を成功させることにつながります。
不動産投資として駐車場経営を検討する人のなかには、自分が経営を行うことに不安を感じている方もいるでしょう。そのような方には、駐車場運営会社に運営や管理を任せる方法をおすすめします。前述のように、一括借り上げ方式という経営方式を選べば、土地の所有者は運営会社に土地を貸し出すだけで、事業運営に必要な設備を準備することなく、プロの力を借りて、毎月一定の賃料を受け取ることができます。
なお、三井のリパークの一括借り上げ方式による駐車場経営サービスをご利用いただければ、駐車場経営に必要な設備費や設置費、運営管理費の全てが0円で事業を始めることが可能です。※7
三井不動産グループの総合力を生かして、駐車場経営後に土地の売却を検討されている方の場合も最後までサポートします。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
●駐車場経営・土地活用のご相談のお問い合わせはこちら
※1 一例です。
※2 エビデンス :政府統計の総合窓口 「小売物価統計調査(動向編)」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040047335
※3 エビデンス :新宿区 「公示価格(基準日:令和5年1月1日)」
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000333419.pdf
(最終確認日:2023年10月27日)
※4 エビデンス :愛知県 「愛知県地価情報(地価調査・地価公示)R5年」
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/452224.pdf
(最終確認日:2023年10月27日)
※5 エビデンス :札幌市 「令和5年 地価公示概要(札幌市地価動向)」
https://www.city.sapporo.jp/keikaku/chika/documents/r05tikakouzigaiyou.pdf
(最終確認日:2023年10月27日)
※6 エビデンス :富山県 「令和5年地価調査について」
https://www.pref.toyama.jp/documents/36078/02_sanko5.pdf
(最終確認日:2023年10月27日)
※7 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
駐車場経営
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初期費用 設備費用 運用費用 0円
※立地等によってはお受けできない場合もございます。 ※建物解体、アスファルト舗装、外溝、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさま(土地所有者様)のご負担となります。
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