【土地活用ランキング】3つの選定基準
土地活用には多くの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分にとって最適な方法を選ぶことが大切です。今回は、特に「土地活用初心者」を対象にした土地活用方法をランキング形式で紹介します。単に収益性の高さだけでなく、以下に示す4つの基準のバランスを重視して選定しています。
収益性
土地活用を成功させるためには、投資した資本に対してどれだけの利益を上げているかといった収益性の高さを考慮しなければなりません。なお、収益とは、土地の活用方法に応じて得た収入の総額のことで、収益から初期費用や管理費用等の経費を差し引いた金額のことを利益といいます。初心者にとっては、まず安定した収入を目指すことが重要であるため、ランキングの選定基準としています。
安定性
不動産収入が長期にわたり安定して継続的に得られる度合いのことを指します。景気変動や空室リスクの影響を受けにくい活用方法は、安定性が高く、初心者向けといえます。
初期費用
初期費用は、土地活用を開始するために必要な初期投資額のことで、初期費用が少なければ、資金調達のハードルが低くなります。万が一、事業がうまくいかなくても、比較的短期間で資金回収できるので、初心者にとっては非常に重要な要素です。
立地条件による影響
土地活用において、適切な土地活用方法の条件は異なります。特に立地条件は、土地活用方法の選択肢に影響します。特定の限られた条件の土地でしか収益が見込めないこともあるので、自分の土地の特性をよく把握しておくことが大切です。
この記事では、土地活用が初めての方でも気軽に行える、おすすめの土地活用方法をランキング形式でご紹介します。さらに、成功のための注意点にも触れ、最適な土地活用選びをサポートします。
おすすめ土地活用ランキングTOP9
ここからは、ランキング上位の土地活用方法について、それぞれの特徴やメリット、デメリットを詳しく解説していきます。
土地活用方法 |
ポイント |
1位 アパート・マンション経営 |
・高収益化を目指せる
・初期費用が高く、維持管理に関する対応が必要
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2位 駐車場経営 |
・初期費用が比較的安い
・建物を建築するまでの暫定利用としても人気
・初心者でも手軽に始められる
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3位 事業用借地 |
・賃料を高く設定できる傾向がある
・管理の手間が少ない(借り手との契約による)
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4位 一戸建て賃貸住宅経営 |
・長期的に安定した収益が見込める
・入居者がいないと収入が途絶える
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5位 トランクルーム経営 |
・需要が増加傾向にある
・法規制への対応が求められる
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6位 駐輪場経営 |
・初期費用が低い
・建物を建築するまでの暫定利用としても人気
・駅前の立地に限られる
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7位 コインランドリー経営 |
・立地次第で安定した収益が得られる
・設置や管理を業者に委託可能
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8位 自動販売機の設置 |
・初期費用が低い
・手間がかからない
・狭い土地でも活用可能
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9位 福祉施設経営 |
・需要が増加傾向にある
・広い土地が必要
・法規制対応や専門的な知識が必須
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【第1位】アパート・マンション経営
土地活用といえば、アパート・マンション経営を最初に思い浮かべる人が多いでしょう。その理由の1つとして、多数の住戸を確保できるため、土地面積あたりの収益性が高いことが挙げられます。土地だけを貸す地代や駐車場等の使用料に比べると、賃貸住宅の賃料は高額であり、土地活用のなかでは比較的収益性が高いといえます。入居者がいる限りは一定の賃料収入が見込めて、収入も安定しやすいでしょう。また、賃貸経営は節税効果が高く、土地の軽減措置が適用されたり、相続税の節税が可能だったりします。
一方で、賃貸経営のデメリットは、そもそも初期費用が高額なうえ、昨今は特に材料費の高騰が負担になりがちな点です。また、立地によっては、空室が長期間にわたる可能性がある点も挙げられます。加えて、賃貸経営における人件費や仲介手数料等のランニングコストがかかるため、想定よりも利回りがよくない場合もあるでしょう。所有する土地が賃貸経営に向いているのかは、事前によく確認する必要があります。
【第2位】駐車場経営
土地活用初心者にとって、駐車場経営は最も始めやすい選択肢といえるでしょう。その根拠は、建物が必要ないため初期投資を抑えられること、管理の手間が比較的少ないこと、将来的な転用が容易なことにあります。
駐車場経営には、月単位で契約者に貸し出す「月極駐車場」と、時間貸しの「コインパーキング」の2種類があります。月極駐車場は、土地を整地して区画線を引くだけで始められるため、特別な設備投資が抑えられることが特徴です。コインパーキングの場合、精算機やロック板などの設備が必要になりますが、これらの設置や運営管理を専門業者に一括して委託する一括借り上げ方式で行えば、初期費用は大きく抑えられるでしょう。
一方で、収益性はアパートやマンションなどの賃貸経営や事業用借地等に比べると低い傾向があります。また、住宅用地ではないため、固定資産税の軽減措置が適用されない点はデメリットです。
駐車場経営に関する詳しい内容については、こちらの記事を参考にしてください。
三井のリパークでは駐車場経営のサポートを行っています。駐車場経営にご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。(※1)
【第3位】事業用借地
事業目的で土地を貸し出すことを借地事業といい、事業用建物を建てる目的で土地を貸し出すことが一般的です。収入は、契約開始時に一時金を受け取るケースと、日々の地代収入を受け取るケースの主に2つがあります。契約開始時の一時金には、「保証金方式」「権利金方式」「前払地代方式」があり、税務的な取り扱いがそれぞれ異なるため、借地人との交渉は慎重に行う必要があります。
【第4位】一戸建て賃貸住宅経営
一戸建て賃貸住宅経営は、主にファミリー層に人気があり、長期入居が見込める傾向があります。アパート・マンション経営とは違い、入居者が決まれば収入が安定しやすいでしょう。
おおむね30坪ほどの広さがあれば一戸建て賃貸経営を始められるため、狭い土地でも始められます。また、アパート・マンション経営に比べると、初期費用が安く抑えられ、入居者が家のメンテナンスをしてくれる場合は管理の手間も少なく済むでしょう。
ただ、入居者が決まらない、あるいは退去した場合は、収入がゼロになってしまいます。退去されても次の入居者を早めに決めることが安定収入の鍵です。
【第5位】トランクルーム経営
トランクルーム経営とは、トランクルームやレンタル収納スペースを設置し、荷物を預かることで収益を得る土地活用方法です。都市部を中心に、住宅の収納スペース不足や、引越し・リフォーム時の一時保管ニーズなどから需要が見込めます。日当たりが悪い、騒音がある、不整形地など、居住用建物の建築には不向きな土地でも活用できるのがメリットです。
デメリットとしては、トランクルームは建物自体の担保価値が低いため、賃貸住宅経営と違って融資を受けにくく、初期費用を用意しておかなければならない点です。また、トランクルーム経営は、運営形態によって「倉庫業法」が適用される場合があります。レンタル収納スペースは、「場所を貸している」状態なので倉庫業法の対象にはあたりません。一方、倉庫としてのトランクルームは事業者が利用者の物品を「寄託」されて預かるため、経営には倉庫業者として登録が必要です。施設の基準や管理体制に関する要件も厳しくなるでしょう。
なお、トランクルームは用途地域によっては設置できない場所もあるので、事前の確認が必要です。
【第6位~第9位】駐輪場経営やコインランドリー経営など
ランキング6位から9位の土地活用方法は、以下の通りです。これらの土地活用方法のメリットは、不動産という実物資産を活用し、継続的な賃料収入によって、長期的に安定した収益や資産形成を目指せる点にあります。
・6位 駐輪場経営
・7位 コインランドリー経営
・8位 自動販売機の設置
・9位 福祉施設経営
駐輪場やコインランドリー経営は立地に左右されることが多いでしょう。駐輪場は駅前の土地、コインランドリーは単身者が多く住む地域が適しています。自動販売機の設置は、アパートや一戸建て住宅を建てるほどの広さがない土地を持つ場合に有効です。逆に、アパートやマンション経営には広すぎる土地であれば、福祉施設経営が適しているかもしれません。
福祉施設を建てて土地活用する場合、自らが経営するのではなく、介護事業者や障害福祉事業者に土地を貸すケースもあります。これは借地事業ともいえますが、借地人が建物所有目的で土地を借りる(地上権・土地賃借権)場合は、借地契約を結びます。契約期間や契約満了後に更新するかどうかは、事前に決めておくとよいでしょう。
土地の立地や広さに合わせて、どのように活用するのが適切か正しく見極めることが大事です。
おすすめの土地活用方法で失敗しないための注意点
「利益を生むために始めた土地活用なのに損をしてしまった」という事態は避けたいと考える方は多いでしょう。ここからは土地活用で失敗しないためのコツをご紹介します。
法規制を確認する
土地活用を始める前に、法規制について確認しておきましょう。エリアによっては建物の建設が制限されていたり、建てられる建物の種類や規模が限定されていたりすることがあります。想定している方法で土地活用できるかどうか、事前に確認しておくことが大切です。
周辺のニーズを把握する
土地活用を成功させるためには、周辺ニーズをよくリサーチすることが重要です。たとえば、学生街といった単身者が多く住む土地で一戸建て賃貸住宅経営を行ってみても、ファミリー層のニーズが少なく、借主がなかなか見つからないといったケースがあります。
リスクを考慮する
土地活用にはさまざまなリスクが伴います。たとえば、マンションやアパート経営で、入居者を確保できず賃料収入が得られない「空室リスク」や、災害時に土地や設備の維持が困難になる「災害リスク」などがあります。
これらのリスクを完全に避けるのは困難ですが、軽減するための対策は可能です。土地活用の方法を選ぶ際は、リスクも考慮して検討しましょう。
ランキングを参考に土地活用の方法をプロに相談しよう
使用していない土地を所有している方は、この記事でお伝えしたことを参考に、最適な土地活用方法を検討してみましょう。
土地活用を始めてみたいという方には、初期費用を抑えられ、将来的な転用も容易な駐車場経営がおすすめです。駐車場経営は不動産会社をはじめとしたプロに相談することで、円滑に準備が進められるでしょう。
三井のリパークでは、必要な設備や機器の負担なく始められる駐車場経営のサービスを展開しています。(※1)また、三井不動産グループではさまざまな土地活用の形態に対応可能なサービスを提供しているほか、売却といった土地活用終了後のサポートも行っています。所有する土地の活用について迷っている方はお気軽にご相談ください。
※1 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。