駐車場経営に失敗する理由
駐車場経営に失敗してしまう根本的な原因としてよく挙げられるものに、以下の2つがあります。
・市場調査や計画が不十分だった
・予想外のトラブルが発生した
よくある失敗の原因を正しく理解し、事前に対策することで、駐車場経営の失敗を回避できる可能性が高まります。
【駐車場経営の失敗例1】料金の相場を把握していなかった
駐車場経営の失敗例として、駐車料金の相場を把握しておらず、競合する駐車場に利用者が流れてしまうケースがあります。
たとえば、近くに利用可能な台数が多く、料金の安い駐車場がある場合、利用者に選ばれない可能性が考えられます。そもそも利用料が入らなければ、駐車場経営が成り立ちません。
ただし、その対策として、単に料金を値下げするだけでは収支のバランスが悪くなってしまいます。新たに駐車場経営を始める場合は、周辺の競合調査を踏まえて、ニーズに合った運営方式や設備、料金設定などをよく検討することが大切です。
| 対策 |
競合を調べてから、その対策を行い、利用者のニーズに合った運営方式、設備を選択する |
【駐車場経営の失敗例2】立地が悪くて利用者が少なかった
駐車場としての需要が低い立地は、失敗する可能性が高い傾向があります。たとえば、接する道路が狭い、周辺に施設・事業所・住宅などがなく駐車場の利用者が少ない、表通りからは分かりにくい住宅街の隠れた場所にあるといった場合は、需要が低くなるでしょう。
駐車場としての需要が低い土地で駐車場経営を始めようとしている場合は、そもそも目標の収益を得られるか十分な検討が必要です。事前の市場調査を徹底して行い、駐車場に向いていないと判断した場合は、ほかの土地活用も検討しましょう。
| 対策 |
市場調査を行い、需要が期待できなければ、駐車場経営以外の土地活用を検討する |
【駐車場経営の失敗例3】初期費用が思ったよりもかかってしまった
想定よりも初期費用がかかってしまい、収支計画通りにいかなくなるのも駐車場経営の失敗例の1つです。たとえば、コインパーキングの場合、敷地の整備のほかに、設備機器の導入にも初期費用がかかります。想定される収入や経費をあらかじめ計算して、事業としての収支を見通すことが重要です。特に、駐車場の運営方式や設置する施設、設備機器によっても費用は大きく異なります。初期費用の見積もりに齟齬が生まれないよう、想定される収入に対して、投資する費用が適切であるかを比較検討しましょう。もちろん、そのためにも市場調査は重要です。
また、収支のパフォーマンスを測る指標の1つとして利回りがあります。利回りにはいくつか種類がありますが、運営にかかる費用も含んで計算する実質利回りを参考にして、駐車場の運営方式による違いを比較してみましょう。
(実質利回り)=(年間収入-費用)÷(土地の取得価格+初期(投資)費用)×100
※土地を既に所有している場合は、土地の取得価格はゼロで計算。
三井のリパークでは、初期費用0円で駐車場運営を始められます。(※1)費用を抑えたい方はぜひ一度お問い合わせください。
| 対策 |
あらかじめ初期費用を想定したうえで、収入に対する利回りを比較検討する |
【駐車場経営の失敗例4】駐車場内で事故・事件が起きてしまった
利用者が、壁やフェンス、駐車している車、各種設備などに車をぶつけてしまう事故は、駐車場経営において起こり得ることです。ぶつけた壁が自分の所有物でない場合は、隣人とのトラブルに発展する恐れもあります。こうしたトラブルが重なった場合、あるいは損害保険等でカバーできない大きな損害が発生した場合は、駐車場経営が厳しくなることがあります。特に、キャッシュフローが十分にないケースでは失敗につながる可能性が高くなるでしょう。
事故のなかでも、利用者が駐車しているほかの車にぶつけた場合、私有地内の車同士の事故は警察の事故証明が出ないケースもあります。そのため、当事者同士の話し合いがこじれたときは、管理者が巻き込まれることもあります。また、駐車場内は無人であることが多く、窃盗やいたずらといった事件が起こることも考えられるでしょう。
事故や事件を起こした人が名乗り出ない場合、管理者が修理費を負担するケースもあるため、監視カメラを設置したほうがよいでしょう。そのほか、駐車場内の事故や事件について一切の責任を負わない旨の注意書きをする方法もあります。ただし、注意書きをしても管理者側に過失があるケースは免責されないこともあるため、ほかの対策方法と併せて検討するのがおすすめです。
| 対策 |
損害保険には必ず加入し、監視カメラや注意書きなどを設置する |
【駐車場経営の失敗例5】放置車両、不正駐車を発見した
放置車両や不正駐車は駐車場経営をするうえで特に注意が必要です。放置車両や不正駐車があると、その分の稼働率が下がり、収入減の原因になります。なかでも、駐車場の台数が少ない場合は、経営そのものが継続できなくなってしまう可能性が高くなります。
しかし、放置車両と思われる車両や不正駐車があっても、管理者側で勝手に車両を動かすことはできません。勝手に撤去や移動をすると、訴訟され賠償を求められる恐れがあります。
放置車両は、見つけたらすぐに警察に相談しましょう。ただし、事件性がなければ警察は関与しないため、管理者が放置車両や不正駐車車両の所有者の特定を行う必要があります。不正車両の所有者の特定や撤去を行う専門業者もいますが、費用は管理者の負担になるため注意が必要です。
なお、車両を放置した人物が特定できなかった場合、撤去するには裁判による手続きが必要です。この場合、裁判にかかる弁護士費用や手続きの費用だけでなく、撤去費用も管理側が負担しなければなりません。
こうしたトラブルに対処する可能性を踏まえ、個人での管理が難しい場合は、専門の駐車場運営会社に依頼するのがおすすめです。
| 対策 |
放置車両や不正駐車は見つけたら、すぐに警察や専門の駐車場運営会社に相談する |
【駐車場経営の失敗例6】固定資産税等の税金が高くなることを想定していなかった
これまで住宅の建っていた土地で台数の少ない駐車場経営を始める場合、固定資産税や地域によってかかる都市計画税が高くなることを想定しておく必要があります。なかには、想定より収支が悪くなってしまい、計画通りの経営ができなくなって失敗する例もあります。
固定資産税や都市計画税は、土地や建物などにかかる税金で、以下の計算式で求められます。
(固定資産税額)=(固定資産税課税標準額)×1.4%
※1.4%は標準税率。
都市計画税額=都市計画税課税標準額×0.3%
※0.3%は標準税率。
それまで住宅が建っていた土地であれば、住宅を解体したことで更地評価となり、固定資産税の計算上200㎡までの部分が6倍、200㎡超の部分が3倍になります。また、都市計画税では計算上、200㎡までの部分が3倍、200㎡超の部分が1.5倍になります。ただし、単純に固定資産税が6倍や3倍、都市計画税が3倍や1.5倍になるわけではありません。なぜなら、建物分の固定資産税や都市計画税がなくなり、負担調整措置もあるためです。
また、アスファルト舗装やフェンス、車止め、精算機、監視カメラといった設備費が150万円以上かかった場合、固定資産税(償却資産税)がかかるため、支払う税金が増えます。駐車場開設にあたっては、設備費が150万円以上にならないようにするか、150万円以上になる場合にはそこにかかる税金も想定しておかなければなりません。
こうした税金が増えることを想定せず、計画より費用がかかってしまうと収支が赤字になってしまい、経営が続かなくなってしまうこともあります。事前にどれくらいの税金がかかるのかを確認しておきましょう。
| 対策 |
あらかじめ課税される税金について想定しておく |
【駐車場経営の失敗例7】運営方式や駐車場運営会社の選び方が悪かった
駐車場経営には、自主管理方式と管理委託方式、一括借り上げ方式の3つがあります。自主管理方式は、土地所有者が自ら運営・管理を行う方式です。一方、運営・管理を駐車場運営会社に任せる場合、管理委託方式か一括借り上げ方式のいずれかで行います。
管理委託方式は、駐車場の所有者が運営や管理を駐車場運営会社に委託する方式です。一括借り上げ方式は、土地を駐車場運営会社に貸し出し、駐車場の運営はその事業者が行い、土地の所有者は土地代を駐車場運営会社から受け取る方式です。この方式では、土地の所有者は実質的に土地を貸すだけなので、駐車場の運営にはかかわりません。駐車場の運営を駐車場運営会社に任せる場合、依頼先の事業者選びが重要です。委託先の対応が悪い、知識・経験が足りない、費用が高いなどの場合は、駐車場経営に失敗する可能性が高くなるため注意しましょう。豊富な運営実績を持つことや相性のよい担当者がいることも、信頼できる駐車場運営会社選びのポイントです。
駐車場経営に失敗しないための対策
駐車場経営に失敗しないための、ポイントとなる対策は以下の2つです。
・市場調査をしっかり行い、現実的な収支計画を立てる
・できる限り考えられるトラブルに事前に備える
それぞれについて以下で詳しく解説します。
市場調査をしっかり行い、現実的な収支計画を立てる
駐車場経営において、周辺駐車場の市場調査を行うことは事業の成功に必要不可欠です。たとえば、月極駐車場であれば、駐車場としての立地の可否、設置可能台数などを検討し、周辺の駐車場需要から敷地舗装や屋根の有無、利用料金の相場などを調査する必要があります。特にコインパーキングのような時間貸し駐車場であれば、周辺の交通量、車の出入りの多い時間帯、利用頻度の高い車種、駐車料金の相場など、より細かい項目で周辺の駐車場の利用状況を調べる必要があります。また、競合となる実際の駐車場施設や設備を見て回るのもよいでしょう。インターネット上で公開されている周辺駐車場の情報も活用しつつ、きちんと調査することが大切です。
ただし、こうした調査を自分で行うのは簡単ではありません。費用はかかりますが、市場調査を専門に行う会社に調査を依頼することが一般的です。その場合、収支計画を含めた全体の経営計画を立ててもらえます。なお、土地活用として初めから駐車場を専門とする事業者に相談・依頼した場合は、こうした市場調査を含めた提案がもらえるため、現実に沿った駐車場経営の概略を知ることができます。
できる限り考えられるトラブルに事前に備える
駐車場を運営するなかで発生するトラブルについては、自然災害による破損や人が原因のトラブルがあり、いつ発生するかは予想できませんが、全ての駐車場で発生する可能性があります。そこで、考えられるトラブルについてはできるだけ備えておくようにしましょう。
自然災害や一定の事故であれば、損害保険に加入することで損害が発生したときに補償され、経営に影響を及ぼすような資金の流失を抑制できます。
そのほか、予防策を講じてトラブルを抑制することも可能です。たとえば、経営に支障を及ぼしかねない不正駐車を防ぐには、簡単な予防策でも一定の効果が期待できます。月極駐車場であれば、利用していないときは駐車区画にコーンを設置する、出入り口にチェーンやロープなど簡易的な通行防止対策をするといったことが、有効な手段になる場合もあるでしょう。
また、監視カメラを設置することで、駐車場内の事件やトラブルを抑止する効果が期待できます。監視カメラの映像があれば、トラブルが起きたときでも証拠として活用できる可能性があるため、防犯効果が高まるでしょう。
駐車場経営に失敗したくない方は三井のリパークへ
この記事では駐車場経営に失敗する理由や失敗例、その対策についてご紹介しました。駐車場経営は、アパート経営などの土地活用方法と比べて初期費用が少なく手軽に始めやすい点でおすすめですが、事業である以上、失敗するリスクは否めません。経営に失敗しないためには、市場調査を十分に行ってから事業を始めることが大切です。
三井のリパークの一括借り上げ方式では、機器の設置や運営管理にかかる費用が0円でコインパーキングを経営することが可能です。(※1)また、運営を終了する際も、オーナーさまが原状回復費用を負担することはありません。(※2)さらに、トラブルへの対処も請け負うため、手間がかからず、安心して経営を行えます。ご興味のある方はぜひ一度お気軽にご相談ください。
※1 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
※2 当初契約期間内にオーナーさまから解約される場合は除く。