機械式駐車場の耐用年数はどのくらい?維持費や部品別の耐用年数について解説

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法定耐用年数は、あくまで税金を計算するために必要な減価償却費を求めるための数値(基準年数)で、実際の寿命とは異なります。特に機械式駐車場の耐用年数は、建物と機械装置部分で異なるため、分けて考えます。この記事では、建物の構造別の建て替え検討時期や主要部品の維持費などについてもご紹介します。

機械式駐車場の耐用年数は?

機械式駐車場の法定耐用年数の考え方
機械式駐車場は会計上、建物と機械装置部分に分けて、それぞれ別の資産として計上し減価償却します。そのため、機械式駐車場の法定耐用年数は、建物と機械装置部分で異なります
建物とは、柱・壁・屋根(梁)がある建築部分を指し、構造と用途によって法定耐用年数が異なります。国税庁の耐用年数表(※1)によると、駐車場(車庫用)の建物は、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)・RC造(鉄筋コンクリート造)は38年、レンガ造・ブロック造は34年、木造は15年、金属造は金属の厚さによって19年、25年、31年と定められています。一方、機械装置部分の法定耐用年数は15年です。

国税庁の定める減価償却耐用年数

減価償却にかかわる耐用年数は、国税庁がさまざまな資産について通常の維持補修を行いながら使用できる期間として、減価償却費を求めるために定めており、「法定耐用年数」といわれます。法定耐用年数は、材質・構造・用途などによって細かく定められています。
なお、法定耐用年数は、実際に使用できる期間を定めたものではありません。問題なく使用できていれば、減価償却期間が過ぎたからといって、必ずしも補修や改修、建て替え等を行う必要はありません。
以下の一覧表は、特に機械式駐車場の建物部分の法定耐用年数について、構造・材質ごとにまとめたものです。

機械式駐車場の建物部分の法定耐用年数

構造・材質 耐用年数
木造 15年
金属造 19年/25年/31年(金属の厚さによって異なる)
レンガ造・ブロック造 34年
SRC造・RC造 38年
なお、屋根がない露天式の駐車場は、建物に該当せず機械設備のみとなるため、法定耐用年数は15年です。

耐用年数が経過した場合

法定耐用年数は税務上の減価償却費を計算するための基準であり、実際の使用状況とは異なります。耐用年数が経過したからといって、寿命を迎えたわけではありません。たとえば、建物の維持管理が悪く、建物の劣化が激しい場合は、耐用年数を経過する前でも建て替えることがあります。
法定耐用年数の経過後は、減価償却は完了しているため、一般的には減価償却費の計上はできませんが、状態により資産として使用し続けることは可能です。その場合は、修繕費の計上や特定の税務処理が必要です。

機械式駐車場の部品とメンテナンス期間の目安

機械式立体駐車場は、平置きの駐車場に比べると設備や部品が多く、メンテナンスの負担が高いといわれています。機械式駐車場の建物以外の機械装置部分は、会計上、一体として耐用年数は15年とされますが、実際は部品ごとにメンテナンスが必要な期間の目安があります。
ここからは、機械式駐車場の設備や部品それぞれの役割と、そのメンテナンス期間の目安を解説します。
機械式駐車場

パレット

機械式駐車場のパレットとは、車を載せて移動・収納する台を指し、装置の種類によってパレットの形状、移動方式等は異なります。特に、屋根がない露天式の駐車場は、パレットが雨風にさらされるため、サビや腐食に注意が必要です。
安全に使い続けるためには、1か月~3か月に1度を目安に専門技術者の定期点検を受け(※2)、3年~5年ごとにサビ止めなどのメンテナンスを実施するといった、事故を起こさないための予防保全が欠かせません。

チェーン

機械式駐車場で使われるチェーンは、車の昇降や移動などに欠かせない部品の1つです。チェーンにモーターの動力が伝わり、パレットを昇降・移動させます。稼働するごとに摩耗していく部品なので、定期的なメンテナンスや交換が必要です。
チェーンの経年劣化は環境や使用状況によって大きく異なりますが、交換のタイミングは、チェーンの伸びで判断できます。たとえば、異音や動作不良を感じたら交換を検討しましょう。チェーンの交換目安は、状況によって8年~15年といわれています。

リミットスイッチ

リミットスイッチは、パレットの停止位置を制御し、所定の場所で正確に停止させるためのセンサーです。リミットスイッチに不具合が生じると、パレットの停止位置がずれるなど、事故につながる恐れがあります。5年~10年程度での交換が推奨されていますが、設置環境や使用頻度によって年数が変動するため、定期的なメンテナンスが事故の防止につながります。

モーター

モーターは、機械式駐車場の動力源なので、動作不良が安全面に影響を及ぼします。そのため、メーカーの使用年数の目安を超えたモーターは、安全を考慮した早期交換が重要です。モーターの交換時期は10年~20年程度とされていますが、やはり使用頻度やメンテナンスの状況により変動します。
モーターの劣化が進むと、最悪の場合、パレットが落下して重大な事故につながることもあります。異音や潤滑油の漏れなどがあったら、すぐにメンテナンスを行いましょう。

機械式駐車場の維持費はいくら?

機械式駐車場にかかる維持費
機械式駐車場の維持費は、一般的に1台あたり年間5万円~15万円程度とされています。維持費の主な内訳は、定期メンテナンス費・修繕費・電気代などで、設備や部品の劣化具合によって変動します。
時間貸しや月極などの営業用駐車場の修繕費に関しては、目安とされる公表データがありません。そのため、今回は、国土交通省が「マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年6月改定)」(※3)で掲載している、「機械式駐車場の1台あたり月額の修繕工事費」を参考として紹介します。以下が、ガイドラインから抜粋した一覧表です。
機械式駐車場の機種 機械式駐車場の修繕工事費(1台あたり月額)
二段(ピット一段)昇降式 6,450円
三段(ピット二段)昇降式 5,840円
三段(ピット一段)昇降横行式 7,210円
四段(ピット二段)昇降横行式 6,235円
エレベーター方式・垂直循環方式 4,645円
そのほか 5,235円
先述の通り、上記の一覧表は、分譲マンションの居住者用の機械式駐車場を前提としたものです。従って、月極の機械式駐車場の参考にはなりますが、営業用(時間貸し)の機械式駐車場は、稼働頻度が高く、メンテナンス頻度も増えるため、修繕費はこの表よりも高くなると考えてよいでしょう。

改善が必要な機械式駐車場

空き区画が多い、設備のトラブル対応が多いなど、運営に影響する問題がある機械式駐車場は、改善が必要です。利用者が利用しにくい原因があり、原因によっては安全面を最優先に考える必要もあることから、何らかの改善を検討しなければなりません。
設備をメンテナンスするイメージ

空き区画が多い

空き区画が多い機械式駐車場は、維持管理費やメンテナンス費用が収入を上回ることで収益悪化が懸念されます。空き区画が目立つ場合、その立地では機械式駐車場へのニーズが低い可能性があります。ただし、立地は変えられないので、対策としては、まず利用料や利用条件の見直しをすることが一般的です。
一方、立地としては駐車場のニーズがあるにもかかわらず、空き区画が多い場合は、認知度を高めるための看板広告が必要かもしれません。また、入庫可能な車種(自動車の高さや幅)の制限があって利用者を獲得できていない場合は、設備の更新や改修により改善できる可能性があります。たとえば、駐車可能台数を減らして、高さのある自動車や大型車が入庫できる機器設備へ更新する、機械式駐車場をやめて平置きの駐車場(自走式駐車場)へ変更するといったことも選択肢に入るかもしれません。その場合、既存の機械式駐車場の解体費、新規駐車場の設置・開設費などが期待できる収入に合っているかがポイントです。駐車場へのニーズが期待できない場合は、別の土地活用方法を検討しましょう。

設備のトラブル対応が多い

設備が劣化すると、異音や振動などが発生したり、時折稼働しなくなったりというトラブルも発生します。部品交換で対応できている間はまだよいものの、設備の部品は、15年や20年と年数がたつと製造されなくなり、入手できなくなる恐れがあります。部品交換が難しくなった場合は、機械設備を更新するかどうか検討が必要です。建物部分や鉄骨など、構造部分の劣化が進んだ場合は、機械式駐車場全体の建て替えも検討しましょう。

よくある質問

以下に、機械式駐車場の耐用年数についてよくある質問をまとめました。
機械式駐車場の耐用年数に関するよくある質問

機械式駐車場と自走式駐車場の耐用年数の違いは?

機械式駐車場と自走式駐車場の法定耐用年数については、建物と機械装置に分けて考えることは基本的に同じです。ただし、機械式駐車場は機械装置部分が多く、自走式駐車場は建物部分のほうが多くなるため、減価償却の対象全体に対して、減価償却費のもとになる建物と機械装置部分の金額割合が異なります。
機械装置部分の耐用年数は、機械および装置の機械式駐車設備に分類されるため15年です。建物部分の耐用年数は、柱・壁・屋根(梁)の有無によって建物と分類されるか否かで異なり、またその構造によっても変わります。柱・壁・屋根があり、建物と分類された場合、金属造だと鉄骨の厚さで19年・25年・31年と変化し、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)またはRC造(鉄筋コンクリート造)だと38年とされています。
規模の大きな自走式駐車場は、建物の割合が大きくなるため、減価償却が遅いのが特徴です。一方、規模の大きな機械式駐車場だと、機械設備部分が多く、減価償却が早くなる傾向があります。

機械式駐車場と自走式駐車場、それぞれのメリットとデメリットは?

機械式駐車場と自走式駐車場のメリットとデメリットは、以下の一覧表のように分けられます。
一覧表 メリット デメリット
機械式駐車場 ・狭い土地でも収容台数を確保できる
・防犯性が高い(当て逃げ防止)
・車両制限がある
・自走式より1区画あたりの維持費が高い
・入出庫に時間がかかる
自走式駐車場 ・多様な車種に対応している
・機械式より1区画あたりの維持費が安い
・入出庫しやすい
・ある程度の土地の広さが必要
・利用者間のトラブル発生のリスクが機械式より高い

機械式駐車場と自走式駐車場のどちらがいい?

機械式駐車場と自走式駐車場のどちらが適しているかは、土地の立地や形状などの条件、また事業者の予算によります。たとえば、土地の所有者が自走式駐車場を希望しても、土地の条件や予算の制約で開設できないこともあります。
駐車場経営を希望する場合は、周辺ニーズや競合先などのマーケティング調査が必要で、さらに維持にかかる手間や費用などについても事前に把握しなければなりません。そのうえで、しっかりした事業計画を立てて、機械式駐車場と自走式駐車場のどちらが適しているかを判断することが大切です。
三井のリパークでは、さまざまな土地やご予算に合わせて適切な形態の駐車場や管理方式をご提案します。なかでも、一括借り上げによる駐車場経営なら、駐車場開設のための初期費用がかからず管理の手間もありません。(※4)機械式駐車場のメンテナンスや維持が大変だったり、建て替えと修繕どちらにするか迷ったりしたときは、お気軽にお問い合わせください。
※1:出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf
(最終確認:2026年3月26日)
※2:出典:国土交通省「『機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン』の手引き(平成28年)」
https://www.mlit.go.jp/common/001145272.pdf
(最終確認:2026年3月26日)
※3:出典:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年6月改定)」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001747009.pdf
(最終確認:2026年3月26日)
※4:立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
秋津 智幸
監修者:不動産コンサルタント
秋津 智幸
不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。
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※立地等によってはお受けできない場合もございます。 ※建物解体、アスファルト舗装、外溝、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさま(土地所有者様)のご負担となります。

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