2024.04.11

マンション経営にかかる初期費用はどのくらい?ランニングコストや注意点も併せて解説

マンション経営(賃貸経営)には、さまざまな初期費用やランニングコストがかかります。マンション経営にかかる費用やコストを抑える方法について解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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マンション経営にかかる初期費用の相場

不動産投資や土地活用を目的に、マンション経営を選択しようと考えている人もいるのではないでしょうか?そのなかに、「どのくらいコストがかかるのだろう?」「自分にもできるのかな」などと疑問や不安を抱える人もいるでしょう。
マンションを経営するには、初期費用とランニングコストが発生します。そのため、マンション経営を始める際の自己資金として、一般的に物件価格の1~2割程度が必要であるといわれています。自己資金がゼロの状態で、「フルローン」を組んでマンション経営を始めることも可能ですが、その場合には利子が増えて総返済額が大きくなったり、ローンの審査が厳しくなったりするなどのリスクが大きくなるため、可能な限り自己資金は用意しておくことがおすすめです。
この記事では、マンション経営にかかる初期費用やランニングコスト、経営におけるリスクや失敗を抑える方法まで詳しく解説します。
マンション経営にかかる初期費用

マンション経営にかかる初期費用

マンション経営にかかる初期費用にはさまざまなものがあり、以下のものが挙げられます。
・マンション取得費用
・頭金
・ローン諸費用
・不動産所得税
・印紙税
・登記費用
・各種保険料
それぞれについて詳しく説明していきます。

マンション取得費用

マンション取得費用とは、マンションそのものを取得するために必要な費用です。新築する場合には建築費、既に建っているマンションを購入する場合には購入費がかかります。また、マンションを購入する際、不動産会社に仲介を依頼する場合には仲介手数料が別途発生することも把握しておきましょう。

頭金

マンションを経営するには、頭金の目安として物件価格の1~2割程度を用意する必要があります。マンションを建築または購入する際はローンを組むことが一般的ですが、頭金の額が多いほどローンの借入金を少なく済ませられるため、用意しておくとよいでしょう。

ローン諸費用

ローンを組んでマンションを新築する際、目安として借入額の1~3%の事務手数料や保証料が発生します。しかし、あくまで目安の金額であり、マンションの規模や金融機関によって異なるため借入先は慎重に検討しましょう。
マンション経営で組まれるローン

不動産取得税

不動産取得税とは、不動産を取得した際に不動産が所在する都道府県に納める税金のことです。不動産取得税は以下のように計算します。
税額 = 固定資産税評価額 × 税率(4%)
上記の税額に対し、土地と住宅は2024年3月31日まで軽減措置として税率3%が適用されます。

印紙税

印紙税は、マンションの売買契約書やローン契約書などの書類を作成する際に課せられる税金です。印紙税額は、記載された契約金額によって異なるため、事前に確認しましょう。

登記費用

マンションを新築する際は、所有権保存登記と不動産の表示登記が必要です。一方で、マンションを購入する場合には、所有権移転登記が必要です。さらにマンション購入の際に、ローンを利用した場合には抵当権設定登記が必要になります。
それぞれの手続きには、登録免許税がかかります。登録免許税とは、不動産を売買したり、相続したりする場合の登記などの申請時に納付する税金です。また、登記の作業を司法書士に依頼する場合は、司法書士への報酬も発生します。
マンションを新築する際の所有権保存登記にかかる登録免許税の求め方は以下の通りです。
登録免許税 = 不動産の価額(課税標準) ※1 × 税率(0.4%)
不動産の価額については、市町村役場で管理する固定資産税課税台帳に価格が記載されている場合はその価格となります。ただし、新築の建物の場合は、固定資産税課税台帳に価格が記載されておらず、法務局により便宜上作成された価格となるため、管轄の法務局へお問い合わせください。
また、抵当権設定登記の登録免許税の計算方法は以下の通りです。
登録免許税 = 借入金額(課税標準) × 税率(0.4%)
マンション経営にかかる登録免許税

各種保険料

マンション経営を行う際には、火災保険や地震保険といった保険に入ることが一般的です。保険への加入は任意ですが、マンションという大きな資産を災害から守るためにも、加入しておくのがおすすめです。
保険料は、一定期間分を一括で払う方法と、複数回に分けて月払いで支払う方法があります。一括で払うほうが料金は安くなりますが、まとまった金額が必要になるため注意が必要です。
●アパート経営にかかる初期費用に関する記事はこちら

マンション経営にかかるランニングコスト

マンション経営では、初期費用のみならずマンションの経営を維持・管理するためにランニングコストがかかります。マンション経営にかかるランニングコストは以下の通りです。
・光熱費
・修繕費
・ローン返済費
・管理手数料
・固定資産税
・都市計画税
・所得税、住民税
・そのほかの諸費用
1つずつ見ていきましょう。

光熱費

マンションの維持にかかる費用として、エレベーターやエントランスの電気代、共用トイレの水道代など共用部分の光熱費が発生します。これらの費用は、入居者から支払われる家賃や管理費、共益費で賄えない場合は、オーナーの負担となります。

修繕費

マンションの劣化に伴い、建物の修繕やリフォームが必要になる場合があります。マンションは、13年から16年周期で大規模修繕が行われるのが一般的です。
また、入居者が退去した際、部屋の状態が悪いと次の入居希望者が現れにくくなり、空室になるリスクがあるため、場合によってはリフォームが必要になるケースもあります。修繕やリフォーム時に資金が足りなくなることのないよう、計画的に資金を積み立てておくことが重要です。
マンションの大規模修繕

ローン返済費

マンションをローンで購入し、金融機関からの融資を受ける場合、毎月ローンの返済をする必要があります。ローンは、返済期間が長くなるほど金利が高くなることに注意が必要です。ただし借入金を早く返済することで、貯蓄額が減り、金融機関からの評価に影響を与えたり、金利状況によっては繰り上げ返済の効果が低くなったりする場合があります。家賃収入とローン返済額、金利動向のバランスを見て返済プランを立てることがおすすめです。

管理手数料

マンションの賃貸経営において、管理業務は管理会社に委託することが一般的です。管理業務には以下のようなものが挙げられます。
・防犯・警備
・入居者対応
・清掃
・維持・修繕
管理を委託する際には、相場として家賃収入の5%程度の手数料が発生します。管理会社によってサービスや料金が異なるため、どこまで依頼するのかを明確にし、慎重に比較検討をしましょう。

固定資産税

固定資産税とは、所有しているマンション(不動産)にかかる税金です。固定資産税の計算方法は以下の通りです。
固定資産税 = 固定資産税評価額 × 標準税率(1.4%)
標準税率は自治体によって異なる場合があるため、各自治体のホームページから確認しましょう。

都市計画税

都市計画税とは、土地区画整理事業や都市計画事業などに必要となる費用に充てるために課せられる税金です。都市計画税は以下のように計算します。
都市計画税 = 固定資産税評価額 × 制限税率(0.3%)

所得税、住民税

所得税や住民税とは、家賃収入から経費を除いた個人の所得に対してかかる税金です。1年間の全ての所得から医療費控除や配偶者控除など各種の所得控除を差し引いた課税所得の額によって税率が異なります。所得税の求め方は以下の通りです。
所得税 = 課税所得金額 × 税率 - 税額控除
住民税は、課税所得(住民税の課税対象となる所得)をもとに計算される「所得割」と、一定以上の所得がある人に一律でかかる「均等割」を加算した額が課税されます。
マンション経営にかかる所得税や住民税

マンション経営をするリスクと注意点

マンション経営には以下のような注意点もあります。
・家賃滞納や空室のリスクがある
・災害によるリスクがある
・転用しにくい
・初期費用やランニングコストが高い
注意点をしっかりと把握してからマンション経営を始めることが大切です。それぞれ詳しく解説していきます。

家賃滞納や空室のリスクがある

マンション経営をするうえで、家賃の滞納や空室が継続することは収入が減ってしまう原因になるため、大きなリスクであるといえます。家賃滞納のトラブルが発生しないよう、信頼できる管理会社と契約を結び、管理を徹底してもらったり、入居者審査を慎重に行ったりして対策を取ることが重要です。また、空室の状態が長く続かないよう、物件のメンテナンスを行う、宣伝活動の機会を増やすなど対策を心がけましょう。

災害によるリスクがある

火災や地震、風水害などはいつ起こるか誰にも予測できません。しかし、災害によってマンションが大きな被害を受け、経営が困難になる恐れがあります。こういった万が一のときのために、保険に加入しておくことがおすすめです。
マンション経営で加入しておきたい保険

転用しにくい

一度マンション経営を始めると、入居者に退去してもらう必要があったり、建物を取り壊すのに手間がかかったりするため、ほかの土地活用への転用や土地売却には時間だけでなく、手間や費用など大きな負担がかかるでしょう。正当な事由でない限り借主に退去を求めることはできず、仮に認められたとしても借地借家法により、部屋の明け渡し期間が6ヵ月以上と定められているため、貸主の事情ですぐに立ち退いてもらうことは困難だといえます。

初期費用やランニングコストが高い

一棟マンションを購入したり、新しくマンションを建設したりする場合、初期費用が高額になります。また、マンション経営を維持するために、毎月のランニングコストも発生します。マンション経営を行う際は、資金計画をしっかり立て、経営困難に陥ることがないよう管理することが大切です。

マンション経営で初期費用・ランニングコストを抑える方法3選!

マンション経営には、初期費用とランニングコストの負担が大きいことをお伝えしてきました。ここからは、より収益性を高めるため、初期費用やランニングコストをできるだけ安く抑える方法をご紹介します。

支払い方法を工夫する

マンションの保険料の支払いを、一括払いでなく複数払いにすることで初期費用を抑えることができます。保険料を一括で支払えば総額は安くなりますが、大きな出費となって負担がかかるため、負担をバランスよく分散することも検討するとよいでしょう。

信頼できる管理会社を選ぶ

信頼できる管理会社を選ぶことも費用を抑える1つの方法です、サービス内容が同じでも、会社によって管理手数料が異なる場合があります。複数の会社のサービス内容や手数料を比較し、最適な会社を選択しましょう。

日頃のメンテナンスや清掃を徹底する

マンションの設備が劣化し、状態が悪化すると大がかりな修繕をしなくてはならないため、定期的にマンションのメンテナンスや掃除を徹底し、修繕にかかる費用を抑える工夫をしましょう。
マンションのメンテナンス

リスクと初期費用を抑えるなら駐車場経営!

ここまで、マンション経営にかかる費用やリスク、費用を抑える方法などを紹介してきました。マンション経営は、初期費用やランニングコストが高い土地活用方法であるため、成功させるには計画的な経営プランの設計と知識が必要です。
リスクを抑えた土地活用を希望する場合、駐車場経営であれば、初期費用を安く抑えてほかの土地活用への転用もしやすいため、土地活用初心者の方でも気軽に始められます。
三井のリパークの一括借り上げ方式での駐車場経営では、経営に必要な機器・設置費用、運営管理費用全て0円で経営を始められるうえ、毎月安定した収入を得ることができます。また、三井不動産グループの総合力を生かし、お客さまの要望に合わせてその後の土地活用にも幅広い柔軟な対応が可能です。ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。※2
●駐車場経営・土地活用に関するご相談・お問い合わせはこちら
●駐車場経営の基礎知識に関する記事はこちら
●駐車場経営にかかる初期費用に関する記事はこちら
※1 固定資産税課税台帳に登録された固定資産の評価額を指します。毎年、市町村役場から通知される固定資産課税明細書で確認可能です。
※2 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
駐車場経営
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