2025.12.12

立体駐車場のメンテナンス費用はいくら?自走式を運営する際のポイントについても解説

立体駐車場を維持するためには、メンテナンスが必要です。この記事では、費用相場や維持・管理の負担を軽減する方法について解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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立体駐車場のメンテナンス費用の相場はいくら?

立体駐車場には機械式と自走式の2種類があり、それぞれの運営方式や劣化の状況、規模や立地によってメンテナンス費用は変わります。一般的には機械式立体駐車場のメンテナンス費用は、1台あたり年間約5万円~15万円とされており、自走式立体駐車場は、それよりも低いケースが多いといわれています。以下で、機械式と自走式の違いについて見ていきましょう。
立体駐車場のメンテナンス費用

立体駐車場には2種類ある

機械式立体駐車場と自走式立体駐車場は、どちらも立体駐車場であることに違いはありません。異なる点として、駐車場の構造や規模が挙げられます。
機械式立体駐車場は、車を所定の場所に停めると機械が自動で格納や取り出しを行うため、通路やスロープを必要とせず、限られた土地を効率的に活用できるのが特徴です。機械式立体駐車場は駅の周辺やマンションなどで導入される傾向があります。
一方、自走式立体駐車場は、ドライバーが自ら車を運転して駐車スペースまで移動する構造を採用しています。スロープや通路など人と車が通行できるスペースを確保するため、比較的大規模な敷地が必要です。そのため、自走式立体駐車場は、ショッピングモールや病院、大型のオフィスビルといった施設で導入されていることが多くなっています。
この記事では、立体駐車場のなかでも特に自走式のメンテナンス費用にまつわる知識を詳しく解説していきます。
●機械式駐車場についてはこちら
●自走式駐車場についてはこちら
大規模な自走式立体駐車場

立体駐車場(自走式)でメンテナンスが必要な設備と費用

ここでは、自走式立体駐車場で定期的にメンテナンスが必要な設備と費用について解説します。メンテナンスの項目や推奨周期、費用について、以下に一覧表でまとめました。
メンテナンス項目 推奨周期 費用
エレベーターのメンテナンス
(保守点検)
1ヵ月 1万円~6万円程度
消火器の交換 10年 4,000円~8,000円程度/個
照明器具の交換 10年 5,000円~/台
アスファルト舗装の補修 10年 2,500円~8,000円程度/㎡
区画ラインやペイントの引き直し 3年~10年 1,000円~/m
車止めの交換 10年 3,000円~5万円程度/個
コンクリートの補修 15年 1万円~5万円程度/ヵ所
※上記の費用は、あくまでも目安であり、依頼する業者や駐車場の規模によって変動する場合があります。依頼の前には見積もりをとりましょう。
※メンテナンスを行う推奨表記に限らず、定期点検を怠らないようにしましょう。照明、アスファルト、ライン、コンクリートなど、半年から1年単位で自主点検すると、より安心です。

立体駐車場(自走式)を運営するうえで知っておきたいポイント

自走式立体駐車場を運営する際には、設備のメンテナンス以外にも日々対応しなければならないことが多くあります。具体的には、経年劣化や駐車場内で起こるトラブルへの対応などです。設備のメンテナンス以外に、駐車場を運営するうえで必要なことについて詳しく見ていきましょう。

経年劣化への対応

立体駐車場も建物なので、時間がたてば劣化していきます。たとえば、鉄筋コンクリート造(RC造)はコンクリートの中性化やひび割れが進みやすく、鉄骨造はサビや腐食が進行しやすい傾向があります。また、上下階を移動するスロープ部分は、車の走行による摩耗や衝撃で劣化しやすいため、補修が必要となるケースが多いです。
こうした経年劣化に対応するためには、長期修繕計画を立てて、目安となる費用や時期を把握しておくことが重要です。さらに、定期点検を実施し、その結果や補修履歴を記録・蓄積しておくことで、劣化の傾向を早期に把握でき、計画的かつ効率的なメンテナンスが可能になります。

駐車場内でのトラブル対応

駐車場内で起こるトラブルにも、立体駐車場のオーナーが対応しなければなりません。駐車場の利用者同士で解決できることもありますが、駐車場の構造や設備に不具合があって事故が発生した場合は、オーナーの責任が問われることもあります。立体駐車場内の不具合に気付いた場合は、早めに対処するようにしておきましょう。
●駐車場管理についてはこちら
駐車場コンクリートのひび割れ

立体駐車場(自走式)の耐用年数は?

自走式立体駐車場の耐用年数は、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造などの構造によって異なります。耐用年数とは、建物や設備が本来の効果を発揮できる年数として税務上あらかじめ定められた期間のことです。駐車場経営を始める際の初期費用は、耐用年数にもとづいた減価償却の対象となります。減価償却費は年間の収支計画に大きく影響を与えるため、事前に把握しておくことをおすすめします。
自走式立体駐車場の特徴別、法定耐用年数の違いを一覧表にまとめました。
駐車場の特徴 構造 区分 耐用年数
壁あり・屋根あり 金属造 建物 19年・25年・31年
(鉄骨の厚さで変化)
壁あり・屋根あり
(屋上防水あり)
鉄骨鉄筋・鉄筋コンクリート造 建物 38年
なお、機械式立体駐車場の装置部分は、減価償却資産として「機械及び装置」に区分されるため、耐用年数は15年とされています。
駐車場の特徴 構造 区分 耐用年数
壁なし・屋根なし
(露天)
金属造 構築物 15年
屋根がある自走式立体駐車場

立体駐車場(自走式)のメンテナンス費用を抑える方法

自走式立体駐車場のメンテナンス費用を抑えるには、駐車場運営会社に管理を任せる管理委託方式か、一括借り上げ方式があります。それぞれについて、具体的な内容を見ていきましょう。

管理委託する

駐車場経営を駐車場運営会社に任せるのが、管理委託する方法です。日常的な管理業務を依頼する代わりに、オーナーは駐車場収入の一部から管理委託料を支払います。
管理委託方式であっても、駐車場運営会社が新たに機器を導入した場合のランニングコストは駐車場運営会社の負担です。そのため、メンテナンス費用を抑えつつ、駐車場運営に関する負担を軽減できます。

一括借り上げで委託する

一括借り上げ方式とは、土地を駐車場運営会社に貸し、毎月一定の賃料をもらう方式です。駐車場運営に必要な精算機や防犯カメラ、ゲートなどの設置は、駐車場運営会社が行います。そのため、設備機器の経年劣化や故障、トラブル対応などによる予想外のコストがかからず、月々一定の賃料を得ることができます。(※1)
駐車場の機器

立体駐車場(自走式)の運営は三井のリパークにお任せ!

ここまで、立体駐車場の種類の違いから、耐用年数やメンテナンス費用などについて解説してきました。立体駐車場を長くきれいに維持するためには、適切なメンテナンスが必要です。また、経年劣化やトラブルへの対応もオーナーの重要な役割といえるでしょう。
このようなオーナーの負担となることは、駐車場運営会社に管理を依頼するのも一案です。また、駐車場管理のプロからアドバイスを受けることで、事前にメンテナンスのための対策を立てることもできるでしょう。
三井のリパークでは、管理委託方式や一括借り上げ方式による、駐車場の運営管理業務を行っています。24時間・365日、故障やトラブルに対応するコールセンターを設置するなど、これまでの実績を生かした安心の管理業務でオーナーさまをサポートします。立体駐車場の運営に関する負担を削減したいとお考えの方は、ぜひ一度、三井のリパークにご相談ください。
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※1立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
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