2024.02.08

コインパーキングのロック板とは?仕組みやほかの種類についても解説

コインパーキングは一般的に、車室にロック板が設置されたタイプが多く見られますが、仕組みや利用方法の違いによって主に4つの種類に分けられます。この記事ではそれぞれの仕組みと特徴について解説します。
監修者:不動産コンサルタント 秋津 智幸
不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。

コインパーキングは主に4つの種類がある

コインパーキングは、仕組みや利用方法の違いによって、ロック式、ゲート式、ロックレス式、前払い式の4種類に分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。
・ロック式:車を停めるとロック板が上昇して課金が始まる駐車場
・ゲート式:コインパーキングの入り口や出口にゲートが設けられている駐車場
・ロックレス式:ロック板がなく、設置されているカメラやセンサーが駐車している車両のナンバーを検知する仕組みの駐車場
・前払い式:車を駐車してすぐに利用時間分の駐車券を発券して料金を支払う駐車場
これらのなかで、一般的にコインパーキングと聞いて思い浮かべるものがロック式のコインパーキングです。この記事では、コインパーキングの経営を検討する際、どの方式を選択するかの判断材料として、ロック式中心に4種類それぞれの仕組みと特徴を解説します。まずはロック式コインパーキングの「ロック板の仕組み」について見ていきましょう。
ロック式コインパーキングのロック板

コインパーキングのロック板の仕組み

ロック板とは、ロック式の駐車場の車室(1台ごとに区切られたスペース)に設置されている板状の機器のことで、「フラップ板」とも呼ばれます。入庫時にセンサーが車体を検知すると駐車時間の計測が始まり、入庫した数分後にロック板が上昇、駐車料金はロック板が上がってから発生するという仕組みです。出庫するときは、精算機で自分が駐車した車室番号の駐車料金を精算すると、ロック板が下降して車を出庫することができます。ロック板についてのさらに詳しい仕組みを見ていきましょう。

ロック板の種類はフラップ式や昇降式、前置き式がある

ロック式駐車場で使用されるロック装置の種類は、「フラップ式」「昇降式」「前置き式」の3種類があり、それぞれ設置する機器や場所が異なります。まず、フラップ式は、多くの駐車場で見られる一般的なロック板のタイプです。フラップ式のロック板は上昇すると出庫がほぼできなくなる中央付近の位置に設置されます。
また、昇降式は、地面から真上に上昇するタイプのロック板で、ロック板が下降しているときは機器が地面に埋もれているような形になるため、段差が小さく車の入出庫がしやすいことが特徴です。
前置き式は、ロック板が車室の先頭に設置されるのが特徴で、車の前方に機器を設置する分、大きな車でもロック板が当たらないように、車室の長さを確保する必要があります。ロック式のコインパーキングを経営する場合は、これらの特徴を押さえたうえで、土地の形状や周辺の環境に合うロック板を選びましょう。
コインパーキング

センサーの位置は車室内や駐車場出入り口など

車体を検知するセンサーは車室の地面下やロック板などに設置されています。一般的なのが地面の下に埋設するタイプで、たとえば、ロック板に使用されている「ループコイル」というセンサーでは、特殊な電線を地中に埋設し、車両(金属物)を検知します。ループコイルの設置には埋設工事を行う必要がありますが、アスファルトの下の地中に埋設するため風雨や汚れの影響が少ないという面があります。

ロック板形式はコインパーキング経営のなかでも手軽

ロック板式のコインパーキングを経営するために必要な設備は以下の通りです。※1
・看板類(パーキング看板や案内看板、約款看板、注意看板など)
・ロック板
・センサー
・料金精算機
・場内照明
・U型バリカー(必要に応じて)
・遮蔽板(必要に応じて)
ロック式のコインパーキングは、入出庫ゲートを設置する必要がなく、車室用のスペースと上記の設備を設置するスペースがあれば、狭小地や変形地でも駐車場を運営できる可能性があります。あまり広くない土地でも経営の可能性がある点、また、アパートやマンションといった賃貸住宅のように大きな建物を建てる必要がなく、事業運営に必要な設備が上記のように限定されている点で、ロック式コインパーキングは手軽な土地活用の方法だといえます。
●駐車場経営に必要な設備について詳しくはこちら
●広さや形状に難がある場合の駐車場経営はこちら

コインパーキングでのロック板の注意点

それでは、ロック式のコインパーキングでトラブルになりやすいのはどのようなケースでしょうか?注意すべきケースを3つ紹介します。
1つ目は、ロック板が上がっている状態のままで、利用者が誤って車を出庫してしまうケースです。ロック板は車の不正利用を防ぐ目的で設置されており、ロック板が上がったまま発進すると、ロック板が車に当たり、車体や駐車場設備に傷が付いてしまいます。
2つ目は、機器の不具合でロック板が正常に作動しないケースです。機器の故障により、精算してもロック板が下がらないことがあったり、空車にもかかわらずロック板が上がった状態になってしまったりすることがあります。これらのケースを大きなトラブルにしないために、事業運営者は入出庫時にロック板が確実に下がっていることを確認するよう利用者に注意喚起する必要があります。
3つ目は、一度精算してロック板が下がった後、一定時間が経過して再びロック板が上昇してしまうケースです。精算後、車を移動せずに出庫しない状態で数分間経過すると、センサーが車両を再度感知してロック板が上がってしまいます。このようなトラブルを防ぐために、料金を精算してロック板が下がっていることを確認したら速やかに出庫することを利用者に促す必要があります。
ロック式コインパーキング

コインパーキングにはゲート式や前払い式などロック板以外の種類がある

前述のように、コインパーキングは、仕組みや利用方法の違いによって、ロック式以外にも、ゲート式、ロックレス式、前払い式といったさまざまなタイプがあります。ここでは、それぞれの種類の駐車場の特徴を見ていきましょう。

ゲート式コインパーキング

ゲート式コインパーキングは、出入り口に入出庫ゲートが設置されている駐車場です。入庫時は、ゲートの駐車券発券機で駐車券を発券し、駐車券を取るとゲートが上がって駐車場内に入れます。その後、空いている区画に駐車します。出庫時には、出庫ゲートの料金精算機に駐車券を入れて利用時間に応じた料金を支払うと、ゲートが上がり、出庫できるようになります。なお、利用後、ゲートではなく別に設置された専用の精算機で先に料金を精算し、精算後の駐車券でゲートを通過するタイプもあります。
ゲート式コインパーキングのメリットは、車室にロック板の段差がないためコインパーキング利用者にとっては駐車がしやすいことです。運営者側のメリットとしては、車室ごとにロック板を設置する必要がないため、ロック式よりも設置機器が少なく、設備の保守管理が比較的楽な点が挙げられます。駐車台数20台以上の広い敷地のような場合、ロック式よりもゲート式が適しているでしょう。
ゲート式コインパーキングの注意点として、駐車券を紛失してしまうと精算ができなくなるため、利用者は駐車券の再発行を行う必要があり、運営側はその対応をする必要があります。
ゲート式コインパーキング

ロックレス式コインパーキング

ロックレス式コインパーキングは、ロック板やゲートがなく、設置されているカメラやセンサーが駐車している車両のナンバーを検知して管理する仕組みの駐車場です。駐車料金の精算は、ロック式コインパーキングと同様、出庫時に精算機で行います。
ロックレス式コインパーキングは、ここ数年で増加している比較的新しいコインパーキングの方式です。利用者のメリットは、ロック板がないため、駐車しやすいことが挙げられます。また、運営者側のメリットとしては、ロック板の乗り越えによる不正出庫がなく、設備機器損傷の可能性が低いこと、機器に関するトラブルがほかの方式のコインパーキングと比べ比較的少ないことが挙げられます。
ロックレス式コインパーキングの監視カメラ

前払い式コインパーキング

前払い式(チケット発券式)コインパーキングは、駐車後すぐに料金を支払う仕組みの駐車場です。利用する際は、チケット購入機に利用時間を入力してチケットを購入し、発券されたチケットを車の外側から見える場所(たとえば、ダッシュボードの上)に置いておかなければなりません。
購入したチケット分の時間内に限り、自由に入出庫できるのが前払い式コインパーキングの特徴です。駐車料金が「12時間」「24時間」のように長時間の単位で設定されている場合が多いため、利用者の視点では、長時間利用する場合にメリットが大きい駐車場です。
たとえば、警視庁が管理する都内の路上に設置されたコインパーキング(時間制限駐車区間)も前払い式で、1回の利用は道路交通法で定められた時間(多くの場合60分)の利用で前払いとなっており、延長はできません。
また、駐車場を運営する側のメリットとして、ロック板やゲートも不要であるため、気軽に始められることや機器のメンテナンスに手間や費用がかからないことが挙げられます。一方、ロック板やゲートを設置しないことで、不正駐車や不正出庫が発生しやすいリスクがあることには注意が必要です。
大きな駐車場

コインパーキングの経営を行うには?

これまでロック式を中心にコインパーキングの種類と特徴を見てきました。コインパーキングの経営は、ほかの土地活用と比べて、初期費用を抑えて始められる方法の1つです。アパートやマンションといった賃貸住宅のように建物を建設する必要がなく、早ければ1ヵ月程度の準備期間で開設できるケースもあります。また、狭小地、変形地のような土地でも、車を1~2台駐車できるスペースがあれば、立地や接する道路の条件次第で始められる可能性があります。
●コインパーキング経営に関する記事はこちら
なお、三井のリパークの「一括借り上げ方式」では、土地のオーナーさまの手間をかけることなく、コインパーキングの経営に必要な設備の設置や運営管理業務の全てを行います。一括借り上げ方式では、初期投資の費用をかけずに土地を貸すだけで、駐車場の稼働状況にかかわらず、毎月一定の賃料を受け取ることができます。※2
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※1 一例です。
※2 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
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※立地等によってはお受けできない場合もございます。 ※建物解体、アスファルト舗装、外溝、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさま(土地所有者様)のご負担となります。
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