空き地の活用方法おすすめ8選!
空き地は所有しているだけで固定資産税等の税金や管理費など、さまざまなコストがかかります。そのため、コストを上回る収益が見込める土地活用を見極めることが大切です。
空き地の活用例としては、主に以下のものが挙げられます。
・アパート経営・マンション経営
・駐車場経営
・トランクルーム経営
・コインランドリー経営
・自動販売機の設置
・貸し農園
・資材置き場
・カーシェア
上記の活用方法についてそれぞれ詳しく解説します。
●土地の特徴を生かした土地活用のアイデアについては
こちら
●土地活用の面白いアイデアや失敗を防ぐポイントについては
こちら
なお、空き地の管理を怠って放置していると、雑草やごみの不法投棄が原因で近隣の住民とトラブルに発展したり、無断で土地を使用されたりする恐れがあります。さらに、他人の土地を故意に占有していても、20年以上たてば土地の所有権が占有者に奪われてしまうこともあります。そのため、空き地は放置せずに上手に活用することが大切です。以下では具体的な活用方法についてお伝えします。
アパート経営・マンション経営
空き地に賃貸住宅を建て、アパート経営やマンション経営を行うことで賃料を得られ、空き地を有効活用できます。
メリット |
各地域の賃貸住宅需要にマッチしていれば、安定して高い利益が見込める |
デメリット |
初期費用が高い |
アパート経営やマンション経営は、不動産投資の1つとして人気が高く、空き地の活用方法としては最もポピュラーな活用方法です。特に通勤・通学がしやすい地域や駅近など、賃貸需要の高い立地の土地を所有している場合におすすめの活用方法です。ワンルームやファミリー向けなど、その地域のニーズに合った間取りの住宅を建てることで、より安定した収入を得られる可能性があります。加えて、賃貸住宅として建物を建てることで「住宅用地の特例」による節税効果があり、更地となっている空き地よりも土地にかかる固定資産税や都市計画税が軽減される点もメリットです。
一方で、建築費をはじめとする初期費用が高額になることから、資金回収や経営に関するリスクが伴う活用方法ともいえるでしょう。
駐車場経営
駐車場経営とは、土地を月極駐車場やコインパーキングとして貸し出し、駐車場使用料によって収益を得る土地活用のことです。
メリット |
初期費用が安く、転用もしやすい |
デメリット |
収益性は高くない傾向があり、税金の軽減措置が適用されない |
駐車場経営は、車が往来できる道路に面した車1台分の広さの土地があれば始められることが多く、賃貸住宅のように建物を建てる必要もありません。また、賃貸住宅の賃貸借契約とは異なり、厳しい条件が少なく、貸主の都合で解約も可能です。設備の設置や撤去に加え、契約解除も容易なので、別の土地活用方法への転用がしやすい点もメリットといえるでしょう。運営方式や契約内容などにもよりますが、いざその土地を売却するとなっても2ヵ月ほどで駐車場の利用停止が完了します。
駐車場経営には、「自主管理方式」「管理委託方式」「一括借り上げ方式」の3つの経営方式があります。アパート経営・マンション経営と比較すると、建物が不要な分、初期費用が抑えられる低リスクな方法です。そのうえ、駐車場運営会社や契約内容によっては初期費用を負担してもらえたり、運営を代行してもらえたりする場合もあるため、土地活用初心者でも始めやすい活用方法です。また、経営方法によっては、安定的な収入を得られます。
ただし、初期費用は少なく済むものの、収益性はアパート経営・マンション経営に比べて低い傾向があり、固定資産税・都市計画税の軽減措置を受けられないことは、あらかじめ想定しておきましょう。
トランクルーム経営
トランクルーム経営とは、収納スペースとして空間を貸し出して収益を得る賃貸経営のことです。主に空き地にコンテナを設置し、コンテナスペースを貸し出すことで賃料収入を得ます。また、空き地に限らず、所有しているビルやマンションなどの1室をトランクルームとして貸し出す方法もあります。
以前はコンテナを置くだけでトランクルーム経営をすることも可能でしたが、現在は土地にコンテナを固定する基礎工事が必要なため、初期費用がやや高くなりました。経営方式には、「管理委託方式」と「一括借り上げ方式」の2種類があります。管理委託方式は収益性に優れており、一括借り上げ方式は収益性がやや落ちるものの、トランクルーム事業者へ一括で貸し出すことから利用状況に関係なく一定の賃料が入り、安定した収益が期待できるという点がメリットです。
メリット |
賃貸住宅経営が難しい土地でも始められる |
デメリット |
設置できる土地に制約がある |
トランクルーム経営はアパートやマンション経営が難しい土地であっても、近隣に住宅やオフィスがあるような土地であれば経営できます。ただし、その土地に定められた用途地域によっては設置できないというデメリットがあり、土地の間口や前面の道路に一定の幅が必要になるなど、駐車場経営に比べると土地に制約がある活用方法です。
コインランドリー経営
コインランドリーは、建物や洗濯機・乾燥機などの設備を準備し、自営やフランチャイズといった方法で経営します。あるいは、土地を事業者に貸して借地料を得ることもできます。
メリット |
需要によっては高い収益が期待できる |
デメリット |
相応の初期費用がかかり、競合が現れやすい |
メリットとして、人件費があまりかからず、狭い店舗面積でも始められ、需要が期待できる立地であれば、高い収益が見込める点が挙げられます。
ただし、参入のしやすさから競合が現れやすいことや、顧客獲得のために最新の設備を導入するには比較的大きなコストがかかること、天候やシーズンによって売り上げが安定しない恐れがあることなどが主な注意点です。また、洗剤の補充や清掃、保守点検など、完全な無人化はできないことも念頭に置いておきましょう。
周辺の需要やランニングコストを考慮しながら、投入できる自己資金や収益性を踏まえて慎重に検討するのがよいでしょう。
自動販売機の設置
空き地に自動販売機を設置することで、売り上げの一部を収入として得ることができます。
メリット |
手間や費用がほぼかからない |
デメリット |
収益性が低い |
自動販売機を設置する会社に商品管理やごみの搬出、機器の点検などの運営を任せられる場合がほとんどで、手間をかけずに始められます。
ただし、自動販売機に電気を供給するための電源の確保や整地の必要があり、月々の電気代は土地オーナーの負担です。収益となる売り上げもそれほど大きくないことから収益性は低い点、立地や季節によっては毎月の電気代を下回る収益しか得られないこともある点には注意しましょう。
建物が建てられない狭い土地や建物等の建つ余剰地などで、かつ人の往来のある土地に向いた土地活用で、広い土地に何十台も設置するような活用方法は現実的ではありません。従って、多くの売り上げが期待できる、人通りの多い余った土地で活用するのがおすすめです。
貸し農園
遊休農地やアパート、マンションなどの賃貸住宅経営に不向きな都市部から離れた郊外の土地でも、農園として貸し出すことで収益が見込めます。
メリット |
賃貸住宅経営等に不向きな土地でも収益が得られる |
デメリット |
自治体の許可や届出が必要で、自ら管理する手間もかかる |
貸し農園は、遊休農地や市街化調整区域など賃貸住宅経営に不向きな土地でも収益を得られる活用方法です。ただし、運営方法によっては行政への届出や許可が必要です。
届出や許可を得なくてよい方法として、土地の所有者自らが農園を経営し、利用者に農業体験のサービスを提供することは可能です。家庭菜園程度であれば問題ありませんが、事業として宅地を農地とした場合、登記上の地目を農地(畑や田、果樹園など)に変更しなければならなくなる可能性があります。そのほか、農地とするなら農業委員会との相談も必要です。また、いったん農地としてしまうと宅地に戻すのも簡単ではありません。
もともと遊休農地であった土地等で、そのほかの土地活用が難しい場合のみ検討したほうがよい活用法といえます。
資材置き場
賃貸住宅や駐車場、トランクルームなどの経営に向かない市街化調整区域などの土地では、前述の貸し農園のほか、資材や重機の保管場所として空き地を業者に貸し出すという活用方法もあります。
メリット |
建物や設備が不要のため、初期費用が抑えられる |
デメリット |
需要は限定的で、収益性は低い |
空き地をそのままの状態で貸すため、初期費用がほとんどかからないうえ、管理の手間もかからず、単純に借地として貸す活用方法です。しかし、資材置き場はニーズが限られていることから、貸し手が見つかりにくいうえ、収益性も低いのが注意点です。
カーシェア
カーシェア(カーシェアリング)とは、事業者が会員を募り、会員間で自動車を共同で使用できるサービスのことです。
メリット |
借地として貸すだけなので、初期費用が不要でほかの用途に転用もしやすい |
デメリット |
需要が立地に左右される |
カーシェア導入は、需要が期待できる商業立地や住宅地で、車1台分のスペースがあれば可能なため、狭い空き地でもカーシェアリング事業者に土地を貸し出せます。実質、借地のため、費用や手間があまりかからず、転用もしやすい特徴があります。
ただし、利用者が期待できない立地では借り手の事業者が見つからないこともあり、個人でカーシェアリング事業を行うのは、許認可や設備の準備、その管理、保証などさまざまな点で現実的でない活用方法です。
空き地を活用する際の流れ
空き地を活用する際の一般的な手順は以下の通りです。
1.土地活用方法について相談
2.需要などの調査・分析
3.プランを検討
4.契約
まずは、アパート経営やマンション経営なら不動産会社、駐車場経営なら駐車場運営会社といった専門の事業者に土地活用方法について相談してみましょう。空き地にはさまざまな活用方法があることから、それぞれ専門の事業者に相談することから始めましょう。そうすることで、その土地に適した有効な活用方法を見つけられる可能性がより高くなります。
事業者によって得意とする土地活用の方法は異なります。そのため、相談する前に、どういった活用方法が自分の所有する土地や状況に向いているのか、ある程度目星を付けてから興味のある事業者を選ぶことが必要です。よりスムーズに活用方法の検討を進めるには、自ら土地活用について調べることが大切です。
具体的に採用したい土地活用の方法が決まったら、相談先の事業者に提案を依頼しましょう。事業者は土地の周辺環境、ニーズなどの情報をもとに調査・分析し、活用方法ごとにどれくらいの費用がかかり、どの程度の収益が得られるのかを調べます。その結果をもとにして対象の土地活用方法についての市場性や収益性、シミュレーションなどを提案してもらえますので、その提案をしっかり検討しましょう。
各事業者から提案された土地活用方法について疑問点が解消され、活用プランが決まったら、プランを提案した業者とその土地活用に関する契約を結びます。アパート経営やマンション経営であれば建物の建築請負契約、駐車場経営であれば駐車場施設の設置や委託契約などです。管理運営上の契約内容は、各種事業者に運営を代行してもらったり、一部を委託したりとさまざまです。
なお、幅広い土地活用方法の提案をご希望の方には、ALZOというサービスがおすすめです。三井不動産リアルティが運営する土地活用サービスALZOでは、土地活用を希望する土地所有者さまと、さまざまな形態の土地活用事業者をマッチングします。キッチンカーや自動販売機、物販店など、狭い土地から広い土地まで、期間や建築の有無にかかわらず、お客さまの土地に合った適切な活用方法をご紹介します。土地活用に困ったら、ぜひお気軽にご相談ください。
●土地活用サービスALZOについてのお問い合わせは
こちら
空き地の活用を成功させるためのポイント
空き地の土地活用を成功させるために、事前に知っておきたいポイントがいくつかあります。主なポイントは以下の3つです。
・複数のプランを検討する
・目的やビジョンを明確に持つ
・法規制を把握しておく
それぞれ具体的に見ていきましょう。
複数のプランを検討する
空き地の立地や周辺環境、土地の形状、法令などの制限によって、適した活用方法は大きく異なります。そのため、気になる土地活用方法については、それぞれのプロに相談して市場性、周辺環境、収益の見込みなどを調査してもらうことをおすすめします。提案された複数の活用方法のなかから、自分の所有する土地に適したものを選択しましょう。
また空き地を活用する際には、採用した土地活用方法や契約によって程度の違いはあるものの、自分自身が土地活用事業の経営にかかわることになるものもあります。自分で経営する場合には、相談する専門家や業者に任せきりにせず、需要や収益性などの経営に関する知識をある程度身に付けておくことが重要です。相談先の業者は、実績が豊富で信頼できる企業やその地域に精通している企業を選ぶと、より納得のいく土地活用ができるようになるでしょう。
目的やビジョンを明確に持つ
一般的に、土地活用を始めるとほかの用途にはすぐに転用しにくいとされています。特に、建物を建てるアパート経営・マンション経営は、土地の転用が難しい土地活用方法です。リスクがあったとしても収益性を第一に考えたいのか、あるいは低リスクで土地活用を行いたいのか、一時的な土地活用とするのか、あるいは長期的に活用していくのかなど、事前に目的や展望(ビジョン)などをはっきりさせておくとよいでしょう。
なお、土地活用の目的がはっきりしない場合は、駐車場経営のような転用性の高い活用方法を検討するのも手段の1つです。長期的な土地活用方法が定まるまでの間も、土地を一時的に活用して収益を得られます。
法規制を把握しておく
活用方法を検討するなら、対象の空き地に関係する法規制について、ある程度理解しておくことも大切です。所有している土地によっては、考えていた土地活用方法が採用できないことがあります。「都市計画法の市街化区域内か否か」「定められた用途地域がどういうものか」といった点を確認しておきましょう。
都市計画法を基準として定められた市街化区域内ではなく、市街化調整区域の土地であると、基本的に建物を建てられません。そのほか、田や畑といった農地も農地法の規制によって、自由に建物を建てることができません。
用途地域というのは、都市計画にもとづいて建築される建物の規模や用途を制限するために指定される地域のことで、13種類に区分されます。居住用、商業用、工業用などの用途に合わせて、それぞれの地域の利便性を高める目的で定められています。用途地域によっては、店舗や事務所のような商業用建物が建てられなかったり、コンテナを使用したトランクルームが設置できなかったりするので注意しましょう。