2025.06.06

コインランドリー経営は儲からない?開業にかかる初期費用も解説

コインランドリー経営は高い利回りが魅力ですが、初期費用の高さは難点といえます。今回はコインランドリーのメリット・デメリットや、そのほかの土地活用方法について解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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コインランドリー経営は儲からない?

コインランドリーの市場規模は、2022年時点で1,000億円程度で、近年その伸びは緩やかになっています。この状況は、コインランドリー市場が飽和状態にある、あるいは利用者が少な過ぎるということが原因であると考えられます。コインランドリーの利用率は約4%といわれているのに対して、店舗数は年々増加しているというのが実情です。
上記の事情を踏まえると、コインランドリー経営は定番的な土地活用方法の1つではありますが、儲かるかどうかは経営次第でしょう。今から参入するなら、需要がある地域で行うことや、競合との差別化を図るといった工夫が必要です。
この記事ではコインランドリー経営について、メリットや向いている人などを詳しく解説していきます。
コインランドリー

コインランドリー経営のデメリット

コインランドリー経営の主なデメリットは以下の通りです。
・初期費用が高い
・競合が多い
・無人経営ができない場合がある
・立地に左右されやすい
・利用者トラブルが起こることがある

初期費用が高い

コインランドリー経営は、駐車場経営やトランクルーム経営といったほかの土地活用方法と比べて、初期費用が高い傾向があります。店舗の規模や設備の導入費用などにもよりますが、もし自身の土地にコインランドリーを建てる場合、2,000万円~5,000万円程度かかるのが一般的です。後ほど初期費用の一例をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

競合が多い

コインランドリー経営は、競合が多いことにも注意が必要です。たとえば、住宅地はコインランドリー経営に最適な立地といえますが、こうした人気の地域には競合が多いことが予想されます。
また、コインランドリー経営は競合との差別化やリピーターの確保が難しいという特徴もあります。差別化の手段としては以下のような対策があります。しかし、客単価が高いとはいえないコインランドリー経営では、付加価値の提供に伴う支出や維持費のほうが負担になることもあるでしょう。
・高性能な機器の導入
・利用価格の値下げ
・ベンチや自販機など待ち時間に利用できる設備の充実
・ペット用品専用マシンの設置

無人経営ができない場合がある

コインランドリーというと、無人で経営しているイメージがあるかもしれませんが、実際には完全な無人化は難しいとされています。なぜなら、室内や洗濯・乾燥機器の清掃、洗剤の補充など、人手が必要な業務が多いからです。
また、完了した洗濯物が回収されず、次の利用を妨げるといった慢性的なトラブルが起きている場合、利用者離れにもつながりかねません。こうした観点からも、保守・運用の人件費は必要といえるでしょう。
コインランドリーを点検する人

立地に左右されやすい

先述した通り、コインランドリーは差別化が難しく、立地で売り上げが左右されやすい土地活用方法です。コインランドリー経営に適した立地の例は以下の4つです。
・ファミリー層の生活圏内
・単身者層の生活圏内(賃貸住宅の多いエリア)
・商業施設の近辺
・車でアクセスしやすい場所
コインランドリーは、自宅に洗濯機がない単身者のほかに、夜しか洗濯ができない共働き世帯や、家族の人数が多く自宅で洗濯・乾燥する負担の大きいファミリー層がターゲットです。また、ターゲット層にとっては、買い物のついでに立ち寄れたり、洗濯物をまとめて車で持って行けたりといった利便性が重視されやすい傾向があります。
従って、そのような需要を満たせる立地に出店することがコインランドリー経営を成功させるポイントといえるでしょう。逆にいえば、需要のない地域に無計画に出店した場合、失敗するリスクが高くなるため注意が必要です。

利用者トラブルが起こることがある

コインランドリーでは、洗濯が終了しているにもかかわらず、いつまでも洗濯物の回収に来ない利用客もいます。こうした場合、回転率が下がり減収につながるほか、利用者トラブルにも発展しかねません。後続の利用者が無断で洗濯物を取り出す、洗濯物の盗難といった利用者トラブルが重なれば、お店の評判にも影響が出てきてしまいます。
利用者トラブルに頭を悩まされる女性

コインランドリー経営のメリット

コインランドリー経営はデメリットが多い反面、最適な経営を行えば安定した収入を得られる可能性もあります。その理由は、ランニングコストの安さと利回りの高さに期待できるためです。店の規模にもよりますが、かかるランニングコストは売り上げの20%~25%程度が目安です。これらのコストは基本的に利用者の人数や利用頻度に応じてかかるため、ランニングコストに対して利益も比例することがメリットといえます。
これは支出が少ないことを意味するため、利回りも高くなりやすいのです。利回りの目安は8%~10%程度であり、店舗や土地を自身が所有しているのか、賃貸なのかによって変わってきます。先述のような条件のよい土地で経営できれば、高い利回りも期待できるでしょう。
また、土地の広さを問わず、経営を始められるケースが多いこともメリットです。アパート経営やマンション経営といった不動産投資と違い、10坪程度の小さな店舗から、駐車場が併設されているコンビニエンスストア程度の大型店舗まで、土地に合わせたさまざまな規模での経営が可能です。

コインランドリー経営にかかる初期費用

20坪程度の標準的なコインランドリーの初期投資では、目安として以下のような費用が考えられます。
・プレハブ設置による店舗建築費:約800万円(坪単価40万円×20坪)
・設備工事費(内装や給排水衛生工事費用など):約1,000万円
・機器購入費(洗濯機・乾燥機合わせて8台~12台ほど):約2,000万円
上記の例の場合、合計で約3,800万円の初期費用が必要です。ただし、敷地面積や購入する機器などによって価格は変動するため、あくまで参考としてください。また、フランチャイズ加盟をする場合、加盟料が別途かかります。

コインランドリー経営で失敗しないコツ

コインランドリー経営でもうけるために、最も重要なのは立地です。コインランドリー経営は立地によって売り上げが大きく変わります。ファミリー層や単身者層が多く住む地域や、商業施設が近い土地など、利用が見込めそうな場所に、需要に合う大きさの店舗を出店することが重要といえるでしょう。
また、コインランドリー経営は、比較的高額な初期費用がかかります。店舗の大きさや導入する機械については、かかる初期費用やランニングコスト、売り上げをしっかりとシミュレーションし、利益が見込めるかを判断しましょう。
利回りの高いコインランドリー経営

コインランドリー経営のリスクが不安なら駐車場経営も検討しよう!

以上のように、コインランドリー経営は高い利回りが見込める一方、成功につなげるにはポイントをしっかりと押さえた経営を行う必要があります。「初期費用を抑えたい」「今後その土地を別の用途に転用する可能性がある」という方には不向きな土地活用でしょう。
一方で、そのような方におすすめしたいのが駐車場経営です。コインランドリー経営と比較したときの駐車場経営のメリットは以下の通りです。
・初期費用や維持費が安い
・土地形状の制限を受けにくい
・転用性が高い
駐車場経営の最大のメリットは、手軽さと投資リスクの低さです。コインランドリー経営と比べて必要な設備や維持費が少ないため、初期費用・ランニングコストを安く抑えられます。特に、駐車場運営会社による一括借り上げ方式で経営する場合、機材の設置をはじめとした初期費用を運営会社に負担してもらえる場合が多く、かつ毎月安定した収入を得られることもメリットの1つです。
また、ほかの土地活用方法と比べて土地の広さや形状についての制限を受けにくいため、車が入出庫しやすい土地であれば、車1台~2台程度が駐車できる広さから経営できます。さらに、建物を伴わないので後々の売却のしやすさや、ほかの土地活用への転用性の高さも魅力です。
●駐車場経営にかかる初期費用や経営方法についてはこちら
●土地活用のアイデアについてはこちら
駐車場経営

向いている人はこんな人

コインランドリー経営と駐車場経営では、特徴が大きく異なります。そのため、自分に合った土地活用方法を見つけることが大切です。コインランドリー経営と駐車場経営のそれぞれに向いている人について解説します。

コインランドリー経営

・資金力がある人
・経営に手間をかけられる人
建物や機器による初期費用が多くかかってしまうため、コインランドリー経営には資金力が必要です。
また、経営に手間と時間をかけられる人にはおすすめです。ただし、集客がそのまま売り上げに反映されるため、競合他社の調査やニーズの把握が重要です。さらに、立地や必要な設備などを見極められれば大きな収益を得られる可能性があります。

駐車場経営

・手軽に土地活用したい人
・初期費用を抑えたい人
・安定した収益が欲しい人
駐車場経営には、駐車場運営会社による一括借り上げという経営方法があります。運営会社に土地を貸すだけなので、経営の知識がない初心者の方でも安心です。また、原則、設備費用を運営会社に負担してもらえるので、無料で土地の活用ができます。さらに、運営会社からは毎月地代が得られるため、駐車場の利用状況に左右されずに安定した収益が得られます。
●一括借り上げで駐車場を経営するメリットについてはこちら
手軽にできる駐車場経営

目的に沿った最適な土地活用をしよう!

コインランドリー経営は立地を選ぶ土地活用方法であるため、事前の計画が大切であり、成功すれば大きな収益が得られることもあります。
立地条件や自身がどこまで経営に注力できるのかによって、適切な土地活用の方法は異なります。「初期費用を抑えたい」「手軽に安定した収入が欲しい」という方は、駐車場経営も検討してみましょう。
三井のリパークでは、オーナーさまから土地を一括借り上げして駐車場経営を行うため、設備費用はもちろんのこと、運用管理費用もかからない点が魅力です。手軽かつ投資リスクを抑えた土地活用で、毎月賃料として安定した収入を得られます。(※1)さらに、転用・売却のニーズが生じた際も、三井不動産グループのネットワークを生かしたサポートが可能です。土地活用にお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
●駐車場による土地活用のご相談はこちら
●コインパーキング経営のメリットについてはこちら
※1 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
駐車場経営
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※立地等によってはお受けできない場合もございます。 ※建物解体、アスファルト舗装、外溝、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさま(土地所有者様)のご負担となります。
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