都市計画道路とは?
「都市計画道路」とは、法律上の正式名称ではなく、都市計画法にもとづき、行政によって将来道路としての整備が計画されている道路を指す一般的な呼称になります。
都市計画道路は、単に「計画道路」と呼ばれることもあり、都市計画法上の「都市計画施設」に該当します。都市計画施設には、都市計画道路以外にも、都市計画公園・都市計画河川・都市高速鉄道があります。都市計画道路の区域内に指定されている土地は、将来行政に買収される可能性があるのです。
都市計画道路の調べ方
対象としている土地が都市計画道路に該当するかを調べる方法は2つあります。各自治体のホームページで都市計画情報が公開されている場合は、インターネットで調べることができます。また、インターネットで公開していない、あるいはインターネットではよくわからない場合などは、役所の都市計画課等に直接問い合わせることで調べられます。
なお、都市計画道路の位置や予定幅員については都市計画図(用途地域図)から確認できます。また、不動産売買時の重要事項説明書では、都市計画道路に該当する場合、その旨の説明が必要です。
都市計画道路における計画決定と事業決定
都市計画道路には、大きく分けると「(都市)計画決定」段階と「事業決定(事業認可)」段階があります。(都市)計画決定段階と事業決定(事業認可)段階とでは、都市計画道路にかかる土地の所有者に与える影響が異なります。次に、それぞれの段階について解説します。
(都市)計画決定
都市計画道路における(都市)計画決定段階とは、正式に道路として整備することが決定した段階のことであり、その区域内の敷地には都市計画法の規制がかかります。具体的には、道路の区域や幅員などが定められ、区域内には建築制限が課せられます。通常、その時点では事業化の時期は未定です。あくまで計画段階なので、建物を新築する場合の規制はありますが、たとえば既存の住宅規制はなく、生活上困ることは特にありません。
ただし、(都市)計画決定段階でも、「事業予定地」として都道府県知事が指定した区域などは、さらに厳しい制限がかかります。具体的には土地の売買について、予定対価の額や相手に関して都道府県知事への届け出が必要で、知事の判断で行政がその土地を優先的に先買いできるというものです。
(都市)計画決定では、行政が作成した道路計画の原案を説明会で説明し、そこで得た住民の意見を反映させて、知事との協議、同意を経て計画案が作成されます。計画案は、公告・縦覧され、専門家などによる都市計画審議会で審議され、(都市)計画決定となります。
事業決定(事業認可)
事業決定(事業認可)とは、都道府県知事の認可を受けて、具体的に事業実施が決定したことです。事業決定されると、事業に着手する段階になります。都市計画法第65条にもとづく「事業認可」を受けることで、正式に事業が開始されます。
事業決定段階では、計画決定段階よりも厳しい制限がかかります。宅地造成など土地の形質の変更や建築物・工作物の建設などを行うには、都道府県知事の許可が必要です。また、土地建物を売買するときは、予定対価の額や相手を事業施行者に届け出る必要があります。
事業決定段階では、都市計画道路区域内の土地に住む住人などへの立ち退き交渉や土地買収交渉(買取交渉)が始まります。こうして予定地から事業地へと性質が変わり、現実的な道路整備が開始されます。
事業決定されると、届け出なしに土地を売却することはできなくなります。事業施行者は土地建物を優先的に先買いすることができ、その一方で地域内の土地建物の所有者は、事業施行者に対して買取請求することができます。
都市計画道路区域内の土地の特徴
都市計画道路の区域内にある土地は、一般的な土地と比較すると、価値に違いが出てきます。具体的には、土地の価格が一般的な土地の相場よりも安価になる可能性がある点と、将来売却できることは約束されているという点で異なります。以下でそれぞれの特徴について解説します。
土地の価格が相場よりも安価になる可能性がある
都市計画道路として計画決定や事業決定された区域内の土地に建物を建築したい場合、都道府県知事の許可が必要です。併せて建築制限が設けられて土地の用途に制限があるため、土地利用の自由度が下がり、相場よりも土地の価格が安価になる可能性があります。
将来売却できることは約束されている
都市計画道路の区域内として、都市計画決定されている土地は買収される可能性が高く、特に事業決定(事業認可)されている土地は、将来道路として買収されることが決定されています。そのため、買収価格は行政との交渉になりますが、将来、現金化できることは約束されています。
特に、既存の賃貸アパートやマンションが事業地内にある場合には、通常は建物所有者が行う入居者の立ち退き交渉も事業施行者が行い、その入居者の移転補償費まで事業者が負担します。そのうえで土地や建物も売却できるので、土地や建物の所有者にとっては買収金額以上のメリットがあるでしょう。
都市計画道路の区域内の土地を活用する際の注意点
都市計画道路の区域内の土地を活用する際には、建築制限や部分買取になる可能性がある点に注意が必要です。以下でそれぞれの注意点について解説します。
建築制限がある
計画決定段階の土地には、建築制限が課せられます。区域内の敷地では、建築物を建築する場合、都道府県知事の許可が必要です。また、「地階のない2階建てまでの非堅固建物(木造や鉄骨造など)」しか建築できません。計画決定段階でも、事業予定地に指定された場合や事業決定段階の場合は、より厳しい制限が課されます。具体的には、宅地造成など、土地の形質の変更をすることができません。また、工作物の建設などを行う際にも都道府県知事の許可が必要です。
さらに、建物の構造についても制限されます。都市計画法(第五十四条 許可の基準)においては、「主要構造部(建築基準法第二条第五号により定められた主要構造部が該当)が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること。」と設定されています。(※1)そのため、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションなどの建築はできません。
将来的に事業決定されると立ち退きが発生する可能性があるため、3階以上の建物や鉄筋コンクリート造のマンションなど、解体しにくく、補償費が高くなる建物は建築が認められません。土地に指定された用途地域によっては、本来の容積率をフルに活用できないため、効率が悪い場合もあります。そのため、マンション経営などの長期運用を想定した、初期費用の高額な土地活用には向きません。
また、建物を建ててすぐに買収となった場合、補償費が十分とはいえない場合があるでしょう。そのため、事業決定が近いと予想される場合は、駐車場経営のように建物を建築せずに運営可能な土地活用が向いています。三井のリパークの一括借り上げ方式では、設備や設置の費用といった初期費用なしに駐車場経営が始められます。駐車場の日々の管理やトラブル対応も任せられるため、初めての方でも安心です。(※2)都市計画道路の区域内の土地で、土地活用に迷ったときは三井のリパークへご相談ください。
部分買収で残地の利用が難しいことがある
買収の対象となる土地は、都市計画道路の区域内の土地が原則です。一部しか該当しない場合や、取得(買収)しない土地(残地)に価格下落等の損失が生じたときには、残地に対する補償が行われます。また、残地の従来利用が著しく困難になるような場合には、事業者が残地を取得(買取)することがあります。
買収後の残地の状況によって、土地の利用価値が変わります。残地が不整形地や狭小地となってしまうと、残地に対する補償があったとしても、利用価値そのものが下がる恐れがあります。このような土地ではアパート・マンション経営といった土地活用を行うのは難しいですが、駐車場経営であればさまざまな広さ・形の土地に対応できるでしょう。
よくある質問
都市計画道路に関するよくある質問を以下にまとめました。
都市計画道路の区域内に指定されるとはどういう意味?
土地や建物の一部または全てが、都市計画道路の指定区域内に指定され、将来、道路になる予定の土地(都市計画道路予定地)であることを指します。
都市計画道路の補償料(立ち退き料)はいくら?
都市計画道路用地の買収による補償料(立ち退き料)の相場は、買収(交渉)時の土地建物の価値で一定の基準にもとづいて算定されるため、経済情勢によって変動します。また、建物のそのときの物理的な状態や利用状況でも変わります。加えて、建物利用が居住用か事業用かでも大きく変わり、事業を営んでいる場合はその営業補償も含まれます。従って、全て個別の判断となるので一概には算出することができません。
都市計画道路区域内で事業決定が近い土地の土地活用は駐車場経営がおすすめ
都市計画道路の区域内にあり、計画決定後、事業予定地の指定を受けた土地や事業決定が近い土地の活用には、駐車場経営がおすすめです。駐車場経営では、建物の建築を伴わないため、建築制限の影響を受けません。活用期間が短く、初期費用の回収が難しい土地活用には向きませんが、駐車場経営なら初期費用が低く、契約形式によっては初期費用がかかりません。
また、土地が買収された後の残地で土地活用を行う場合も、その状況によっては、駐車場経営が向いています。残地の周辺は将来的に交通量が多くなる可能性があるため、駐車場への需要の増加も見込めるかもしれません。
三井のリパークなら、狭小地での駐車場経営にも対応が可能です。一括借り上げ方式であれば、駐車場設備や設置にかかる費用はかかりません。(※2)都市計画道路の区域内に指定された土地の活用にお困りの際は、ぜひ三井のリパークにお問い合わせください。
※2:立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。