2024.06.14

アパート経営とは?メリットやリスクまで基礎知識を初心者にも分かりやすく解説

アパート経営は節税効果が期待できたり、老後の資金形成になったりする利点がありますが、その一方でリスクもあります。アパートを経営するうえで押さえておくべきポイントや、気軽に始めやすい駐車場経営について解説します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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アパート経営とは?

アパート経営とは、アパートを建築または1棟丸ごと購入して賃貸住宅経営を行う、不動産投資方法の1つです。土地活用の選択肢として、アパート経営を考える方もいるのではないでしょうか?しかし、検討してみると「アパート経営はどんな人に向いているのだろう?」「アパート経営にはどのようなメリットとリスクがあるのだろう?」といった、さまざまな疑問が出てくるでしょう。
そこで今回は、アパート経営のメリットやリスク、失敗しないための事前準備などについて分かりやすく解説します。また、土地活用に不安がある初心者の方におすすめな駐車場経営についても、併せてご紹介しましょう。
アパート経営

株式投資との違い

アパート経営は不動産投資の1つですが、不動産投資以外の代表的な投資手法の一つに、株式投資が挙げられます。株式投資とアパート経営は、投資対象が異なるため、一概に比較することは難しいのですが、次の点で特徴の違いがあります。
・キャッシュポイント
・保有中の管理
株式投資では、売却益と配当金が収入の柱です。売却益では、短期間かつ少ない投資金額で収益を得られる可能性があります。一方、アパート経営の主な収益は家賃収入であり、長期的な経営のもと定期的で安定した利益を目指します。アパート経営の初期費用は高額で、自己資金を超える部分は、融資を受けて投資を始めることとなります。
株式投資で売却益を得るには、経済情勢や業界の動向等の情報を自身で、または証券会社等から助言を得て、売却のタイミングをはかります。一方、アパート経営では、家賃収入を得るための管理運営を管理会社に委託することで、少ない手間で経営の継続が可能です。
このように、株式投資とアパート経営にはそれぞれの特徴があるため、自身の資産状況や投資目的と照らし合わせて選択するとよいでしょう。
アパート経営と株式投資の違い

アパート経営に向いている人

アパート経営に向いている人は以下の通りです。
・土地を所有している人
・長期的に収入を得たい人
・金銭的な余裕がある人
・賃貸経営の計画を立てられる人
・副業として収入を得たい人
アパート経営は、既に土地を所有している人に向いているといえます。これは、土地を所有していないと、土地の購入費用がかかってしまい、初期費用が高くなるためです。また、アパート経営はほかの土地活用方法より初期費用が高い傾向にあるため、金銭的な余裕がある人のほうが安心でしょう。
さらに、アパート経営は長い時間をかけて計画的に行うことで高い利益を得られるため、アパート経営に関する知識を身に付け、しっかりとプランを立てられる人におすすめです。

アパート経営にかかる初期費用

アパート経営には、建築費や諸費用といった初期費用が発生します。始める際には、目安として初期費用の10~30%の自己資金を用意しておくとよいでしょう。諸費用には以下が含まれます。
・アパートローン手数料
・各種保険料
・登録免許税
・印紙税
・不動産取得税
・司法書士手数料
アパートの建築費は、建物の構造や規模によって異なります。木造であれば比較的安い費用で建築できますが、災害リスクが大きい、修繕やリフォームに多額の費用が発生するといった点に注意が必要です。一方、鉄筋コンクリート造であれば、建築費は高くなりますが、耐震性や防音性に優れます。どのような建物を建設するかは、予定している経営期間やローン返済プランなどと照らし合わせて、慎重に検討するとよいでしょう。
●アパート経営にかかる初期費用について詳しくはこちら
アパート経営にかかる初期費用

アパート経営のメリット3つ

アパート経営の主なメリットは以下の3つです。
・長期的に安定した収入が見込める
・老後の資金となる
・節税効果がある
1つずつ詳しく解説していきます。

長期的に安定した収入が見込める

アパート経営は、全ての部屋が空室にならない限り、収入がゼロにはなりません。そのため、長期的に安定した収入が見込めます。一方、不動産投資のなかでも区分マンション経営や戸建て経営では、入居者がいなくなると収入がなくなってしまいます。このような点から、アパート経営は、ほかの不動産投資より収入が安定しやすいのが魅力的だといえるでしょう。

老後の資産となる

アパート経営で得た収入は、老後の資金に充てることができます。アパートを購入した際のローン返済が終了すれば、より多くのお金を手元に残せるでしょう。また、建物や土地を資産として保有しているため、万が一まとまったお金が必要な場合は売却して資金を得ることが可能です。
アパート経営で得た資産

節税効果がある

アパート経営をすることで、相続税や固定資産税の負担を減らせることも、メリットの1つといえるでしょう。アパートのような収益物件は、相続税評価額が時価の30~50%になります。また、土地に住宅を建てることで「住宅用地の特例」が適用され、土地の固定資産税を節税できます。

アパート経営で失敗しないための事前準備

アパート経営には、メリットだけでなくリスクもあるため、賃貸経営に向けた準備をしっかり行っておかないと失敗する恐れがあります。失敗を防ぐために事前準備しておきたいことは以下の通りです。
・目標や目的を決める
・余裕のある資金計画を立てる
・信頼できる管理会社を選択する
まず、アパート経営に関する知識を身に付けることはもちろん、何のために賃貸経営を行うのか、いつまでにどのくらいの利益を出したいのかを決めておくとよいでしょう。
また、初期費用だけでなく、維持・管理費用も含めて余裕ある資金計画を立てることが大切です。アパートを経営している間には、地震や火災などの自然災害によって建物が大きく損傷することもあります。災害に見舞われなくとも、築年数が経過することで修繕やリフォームが必要となる場合もあるでしょう。
さらに、管理やトラブルへの対応力があり、信頼できる管理会社を選ぶこともアパート経営成功の秘訣だといえます。
アパート経営の管理会社

アパート経営の4つのリスクや注意点

アパート経営を始める際には、以下のようなリスクや注意点についても把握しておくことが重要です。
・家賃を滞納されることがある
・金利が上昇することがある
・初期費用が高い
・転用性が低い
順番に説明していきます。

家賃を滞納されることがある

アパート経営では、入居者による家賃滞納のリスクがあります。家賃を滞納する入居者がいると、滞納期間中は家賃収入を得られません。また、家賃の滞納は長引くほど回収が難しくなりがちで、入居者とのトラブルに発展する恐れもあります。家賃滞納が起きた場合、対応は賃貸管理会社へ依頼するとよいでしょう。

金利が上昇することがある

建築資金等を変動金利を利用して借り入れている場合、金利が上昇すると、ローンの返済額が高くなります。金利の上昇に対応するためには、自己資金を十分に用意することが必要です。借入金額を可能な限り少なくしたり、万が一に備えて貯蓄をしたりしておきましょう。

初期費用が高い

アパート経営には、建築費(あるいは取得費)をはじめ、各種保険料や登記費用など多額の初期費用が発生します。
初期費用を抑えて土地活用をしたい方には、駐車場経営がおすすめです。駐車場経営であれば、少ない初期費用で初心者でも比較的容易に不動産投資を始められます。

転用性が低い

アパート経営を始めた後、別の方法で土地活用をしたいと思った場合、転用には大きな手間と費用がかかります。なぜなら、建物を取り壊して更地にしなければならず、解体費用もかかるためです。また、アパートをそのまま売却したくても、アパート1棟を丸ごと購入したいという人は現れにくいでしょう。
しかし、駐車場経営であれば、大きな建築物がないため、別の土地活用方法に切り替えやすいといえます。駐車場経営については、次項で詳しく解説します。
アパート経営の転用性

アパート経営のリスクが心配な人におすすめの駐車場経営とは?

ここからは、土地活用方法の1つである駐車場経営について詳しく解説します。まずは、駐車場経営の種類を見ていきましょう。

駐車場経営の種類

駐車場経営には、大きく以下の2種類があります。
・月極駐車場
・コインパーキング

月極駐車場

月極駐車場とは、駐車場利用者とオーナーが1ヵ月単位で駐車場利用契約を結ぶ方法です。収益性は、何台の駐車スペースを確保できるかで決まります。
月極駐車場のメリットは、毎月受け取れる賃料が決まっているため、契約者がいれば安定的に収入を得られる点です。また、料金支払い機や看板などを設置する必要がないため、安い初期費用で簡単に始められます
一方で、契約が終了することによって収入が減少し、場合によってはゼロになるリスクもあります。さらに、不正駐車の発生にも注意が必要です。
●月極駐車場の基礎知識に関する記事はこちら

コインパーキング

コインパーキングとは、利用時間分の料金を支払うことで誰でも利用できる駐車場です。収益性は、稼働率(24時間のうちどれだけ利用されていたか)によって決まります。
コインパーキング経営のメリットは、料金設定や立地次第で、月極駐車場よりも効率的に収益を得られることです。ただし、ロック装置や料金支払い機などの設備を導入する必要があるため、月極駐車場と比較すると初期費用が高くなることに注意が必要です。
●コインパーキング経営を失敗しない方法に関する記事はこちら
コインパーキング経営

駐車場経営のメリットとリスク

以下の表は、駐車場経営のメリットとリスクをまとめたものです。

駐車場経営の特徴

メリット リスク
・少ない初期費用で始められる
・狭い土地でも活用できる場合が多い
・手軽に始められる
・転用性が高い
・税金対策がしにくい
・競合が多い
駐車場経営は、経営方式によっては少ない手間で気軽に始められます。たとえば一括借り上げ方式であれば、駐車場の管理や運営を駐車場運営会社に委託できるだけでなく、駐車場運営会社から毎月決まった賃料を得られるため、安定した収入を見込めます。駐車場経営に関する詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。
●駐車場経営のメリットや利回りに関する記事はこちら
●駐車場経営の管理業務に関する記事はこちら

アパート経営が不安なら駐車場経営も検討

ここまで、アパート経営のメリットやリスク、かかる初期費用などについてお伝えしてきました。
アパート経営を成功させるには、ポイントを押さえ、入念な事前準備を行うことが重要です。とはいえ、リスクや注意点もあるため、アパート経営を始めることに不安を感じる方もいるでしょう。そのような方には、少ない初期費用で気軽に始められる駐車場経営がおすすめです。
三井のリパークでは、一括借り上げ方式でのコインパーキング経営を承っています。機器・設置・運営管理にかかる費用が全て0円です。
また、将来的に土地の売却を検討している方にも、三井不動産グループの総合力を生かしてサポートいたします。土地活用についてお悩みの方はぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。
●土地活用や駐車場経営のお問い合わせ・ご相談はこちら
※ 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
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