空き家を活用しないとどうなる?
「古い実家を相続したものの住む機会がない」「一戸建てに住んでいた親が高齢になり、施設に入った」といった事情から、空き家を抱えている人は近年増えているといわれています。
では、空き家を放置するとどうなるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
建物自体やその近隣に危険が及ぶ
空き家問題ともいわれるように、空き家の放置には、以下のようなリスクが考えられます。
・人が住まないので換気や修繕がされず、老朽化が進む
・倒壊して周囲の家屋に被害が及ぶ危険が大きい
・不法侵入されやすく、犯罪のリスクが高まる
さらに所有者自身も、住んでいないにもかかわらず固定資産税や火災保険料といった維持費を支払い続けなければなりません。近隣のためにも、自身のためにも、空き家を放置し続けることは得策ではないといえるでしょう。
特定空家に指定される
空き家に対しては、国や自治体によるさまざまな取り組みが行われています。そのうちの1つが「空家等対策の推進に関する特別措置法」です。この法律では、空き家の活用や管理を促すための対応について定められました。「特定空家」と指定されたにもかかわらず対応を怠ると、過料の対象となったり、固定資産税の軽減措置を受けられなくなったりします。
空き家は売却し、速やかに現金化するという選択肢もありますが、有効活用すれば収益を得られたり、防犯面でのリスクを減らせたりするメリットがあります。
そこで今回は、所有している空き家をどうするか悩んでいる方に向けて、おすすめの活用方法をご紹介します。納得のいく解決策を選ぶために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
●空家等対策の推進に関する特別措置法については
こちら
空き家の活用アイデア7選を一覧で比較
空き家の土地の主な活用事例は、以下の通りです。
《 空き家の活用方法 》
空き家の土地活用方法 |
ポイント |
戸建て賃貸 |
一度借りると長く住み続けてもらいやすい |
シェアハウス |
空室リスクを抑えやすい |
民泊 |
外国人旅行者からも人気がある |
店舗貸し |
リフォームが必要になる場合もある |
駐車場経営 |
初期費用が安く、転用性が高い |
アパート・マンション経営 |
初期費用が高く、立地条件の影響を受けやすい |
トランクルーム経営 |
比較的狭い土地でも経営できる |
上記の活用法について、今ある空き家をそのまま賃貸にする場合と、解体して土地活用する場合に分けて、それぞれ紹介していきます。
空き家の活用例【賃貸にする場合】
空き家活用アイデアのうち、まずはそのまま賃貸として活用する方法を詳しく紹介します。アイデアは以下の通りです。
・戸建て賃貸
・シェアハウス
・民泊
・店舗貸し
戸建て賃貸
空き家の状態がよい場合は、そのまま賃貸物件にできます。一戸建てはファミリー層の需要が高いので、一度借りると長く住み続けてもらいやすく、安定収入を得られる傾向があります。
ただし、賃貸物件にすると、入居者が決まるまで収入を得られません。そのため、賃貸物件として運用できる可能性はどのくらいあるか、事前にシミュレーションする必要があります。戸建て賃貸の取扱実績が豊富な不動産会社に、賃料査定や仲介・管理などを相談してみましょう。
シェアハウス
一戸建て空き家は、ファミリーや個人に貸し出すほか、リフォームしてシェアハウスとして貸し出す方法もあります。シェアハウスは「仲間ができる」「賃料が安い」といった理由で近年人気がある形態の賃貸住宅です。オーナーとしても、複数人に貸し出せることから空室リスクを抑えやすく、収益性が比較的高いというメリットがあります。
シェアハウスの運営や管理をするうえでは、正しく管理・運営するために、民法・借地借家法・定期賃貸借契約書などの知識と活用が重要になります。また、複数人が暮らすシェアハウスは寄宿舎として、一定の建物の基準を満たさなければなりません。違反とならないよう、自治体やシェアハウス管理会社に相談し、管理を委託すると安心です。
●シェアハウスに関する「シェアハウスガイドブック」は
こちら
民泊
「民泊」とは、一般の民家を宿泊用に貸し出すビジネスです。安く泊まりたい旅行者や出張者のほか、近年では外国人旅行者からも「日本の生活を体験できる」と人気が高まっています。
一方で、宿泊者のマナーやセキュリティー上の不安といった問題も指摘されてきたことから、現在では「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が制定されています。※1 これによって、民泊を行う事業者は自治体への届け出が必要になっているほか、設備要件や営業日数の上限などを守らなければならないことに注意が必要です。
店舗貸し
空き家は、カフェやグッズショップなど、古民家の雰囲気をアピールした店舗として貸し出すことも可能です。ただし、店舗経営に不要なバスルームの撤去といった、リフォームが必要になる場合もあります。そのため、事業者が撤退した後、完全な原状回復は期待できない恐れがあることを心得ておきましょう。
空き家の活用例【解体して土地活用する場合】
空き家の老朽化が進んでしまっている場合は、建物を解体し、更地にしてから土地活用する方法がおすすめです。
自治体によっては、空き家を解体する際に利用できる補助金制度があります。金額は自治体ごとに異なるため、事前に情報収集しましょう。解体して更地にした後は、立地に合わせて次のような活用方法を選べます。
・駐車場経営
・アパート・マンション経営
・トランクルーム経営
空き家を解体する場合、建物を建てずに更地のままにしていると、住宅用地の軽減措置が適用されず、固定資産税の負担が大きくなる点に注意しましょう。
駐車場経営
最もおすすめの土地活用方法は駐車場経営です。以下の表に、駐車場経営のメリットと注意点をまとめました。
《 駐車場経営の特徴 》
メリット |
注意点 |
・初期費用が安い
・短期間の準備で始められる
・狭い土地でも経営できる
・転用性が高い
|
・税金の優遇措置を受けられない
|
駐車場経営にかかる具体的な初期費用は、土地の整備費や料金精算機、看板などの設備費です。駐車場経営は、アパート・マンション経営のように大きな建物を建築する必要がないため、準備期間が短くて済みます。また、土地が狭くて駐車できる台数が少なくても、商業施設や駅の近くといった駐車ニーズの高い立地であれば、安定した収入を得られる可能性は高いといえます。
さらに、転用性が高いことも駐車場経営の大きなメリットの1つです。駐車場として活用している土地を、将来的に売却したい場合でも、大掛かりな設備を設置しないため、撤去の手間がかかりにくいでしょう。
以下の記事では、駐車場経営についてより詳しく解説しています。併せてご覧ください。
●駐車場経営を成功させるための基礎知識に関する記事は
こちら
アパート・マンション経営
空き家の解体後にアパートやマンションを建てる賃貸住宅経営も、代表的な土地活用方法です。
ただし、集合住宅を建てられる広い敷地である場合に限ります。また、建物の解体費用と建設費用という大きな初期費用がかかるため、収益が出るまでにはある程度の期間がかかります。さらに、「都心部で賃貸需要が高い」「駅やスーパーが近い」「子育て環境として良好」といった、賃貸住宅の経営に有利な立地条件も必要なので、それらに当てはまるかどうかも考慮しましょう。
トランクルーム経営
住宅街やマンションが多い地域では、トランクルームの経営もおすすめです。荷物を保管する需要が高く、利用されやすいでしょう。ただ、大きな荷物を運ぶこともあるので、車の出入りがしやすい場所が望ましいといえます。
トランクルームは、アパート・マンション経営よりも初期費用が安く、狭い土地でも経営できることから、比較的始めやすい土地活用方法といえます。ただし、用途地域の制限を受ける場合がある点には注意が必要です。トランクルーム経営を検討する際には、トランクルーム用の建物が建築できるのか、事前に確認しておきましょう。
空き家の活用には駐車場経営がおすすめ!
ここまで、空き家を放置するリスクや、活用方法について解説してきました。住まない空き家は、そのままにせず活用するのがおすすめです。
多くの活用方法のなかで、駐車場経営は初心者でも気軽に始められます。初期費用が安く、短期間で準備できるというのがその理由です。さらに、一括借り上げ方式での駐車場経営であれば、管理業務を全て任せられるだけでなく、毎月一定の収入を得られるという安心感もあります。
三井のリパークでも、一括借り上げ方式でのコインパーキング経営を承っています。機器費や設備費、運営管理費は無料です。※2 経験、知識ともに豊富な担当者が丁寧に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。
また、三井不動産リアルティが運営する「土地活用マッチングサービスALZO」では、土地所有者と土地活用事業者のマッチングサービスを提供しています。「所有している土地に向いている土地活用方法が分からない」という方はぜひご活用ください。
●駐車場経営についてのご相談・お問い合わせは
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●土地活用マッチングサービスALZOについては
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●土地活用マッチングサービスALZOについてのお問い合わせは
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※2 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。