2024.11.12

農地活用ビジネス10選!使わなくなった農地で利益を生むアイデア紹介

使用していない農地はビジネス活用することが可能です。ここでは、農地活用にまつわる知識や規制、実際の活用方法などを説明します。
監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石 泉
株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
https://www.izumi-ohishi.co.jp/profile.html

農地とは?

そもそも農地とは、農作物の耕作を目的として供される土地のことであり、畑や果樹園、田んぼなどがこれに該当します。また、農地として認められるには、肥培管理が行われている、耕作用に供される土地でなければなりません。そのため、管理を行わず飼料用の草を採取しているだけの野草地は農地には含まれないのです。
農地を所有している方のなかには、「現在使用していない農地を活用できる方法はないか?」「農業をやめることを検討しているが土地をどうすればよいのか?」「農地を相続したがどうしたらよいか?」などの悩みを抱えている方もいるでしょう。
今回は、そういった方のために、農地をビジネス活用することで収入を得る方法とメリットをご紹介します。また、農地を活用せず放置することで生まれるリスクも合わせて解説します。
所有された農地

農地活用にあたって知っておくべき規制

農地活用をするにあたって、押さえておきたい規制は以下の2つです。
・農地法
・都市計画法
農地法では、農地の売買や転用に関する規制が定められています。農地には転用できるものとできないものがあり、転用する際には農地法に基づいた農地転用の許可が必要です。この許可の申請には、書類の準備が必要であるうえに、許可が下りるまでに6週間ほどの期間を要します。そのため、農地の転用を検討する際には、期間に余裕を持って動くことが大切です。
都市計画法は、都市の健全な発展とまちづくりのためのルールを定めたものです。都市計画法において土地は「都市計画区域」と「準都市計画区域」に分類され、「都市計画区域」は市街化区域と市街化調整区域に分けられます。市街化調整区域では許可がない限り、建物の建設が認められないため、有している土地で賃貸住宅経営や高齢者向け施設の経営などを検討している方は、事前に自治体に確認しておきましょう。
農地活用予定の土地

農地をビジネス活用せずに放置するリスク

農地を活用せずに放置した場合、想定されるリスクは主に以下の3つです。
・税金の負担が大きくなる
・周辺へ悪影響を及ぼす
・活用・転用しにくくなる
1つずつ詳しく解説します。

税金の負担が大きくなる

農地はほかの土地と同じように固定資産税が発生します。農業を行っている通常の農地であれば、固定資産税は以下の2つの式から算出される額のうち、安いほうとなります。
・(本則税額)評価額(売買価格 × 0.55) × 税率(1.4%)
・(調整税額)前年度の課税標準額(前年度の売買価格 × 0.55) × 負担調整率 × 税率(1.4%)※1
※1 固定資産税における「価格」とは「適正な時価」をいいます。(地方税法第341条第5号)
農地における適正な時価は以下の計算式から算出され、上記(調整税額)算出式に用います。
「正常売買価格×農地の限界収益修正率(現行0.55)=適正な時価」
しかし、農地を使用せずに放置している場合、この額がさらに大きくなる可能性があります。農地法では現に耕作されておらず、かつ引き続き耕作されないと見込まれる土地を「1号遊休農地」、農業上の利用の程度が、その周辺の地域における農地の利用の程度に比し著しく劣っていると認められる農地を「2号遊休農地」と定めています。そして、所有している土地がこの遊休農地に該当してしまうと、上記の式の限界収益修正率である0.55が乗じられなくなってしまい、結果として固定資産税が約1.8倍にまで膨れ上がるのです。このように、農地を活用せず放置しておくと支払う税金の負担が大きくなるため、土地の所有には注意が必要です。

周辺へ悪影響を及ぼす

農地を放置することは、近隣住民や周辺環境、地域農業へも悪影響を及ぼします。農地が適切に管理されなくなることで、ごみの不法投棄による環境の悪化や、害虫による健康被害、住み着いた鳥獣による周辺の農地荒らしなどが想定されます。さらにそれが原因で近隣住民とのトラブルに発展することもあるでしょう。
また、農地は洪水や地割れ、地すべりを防ぐといった災害抑止の機能を備えています。そのため、農地の管理を怠ることは、そうした災害を防ぐ機能の低下や災害時の被害拡大につながりかねません。具体的には、農地が放置されることで地面の保水機能が低下し、洪水のリスクが高まったり、地面の乾燥によって地割れが起き、それがさらに地すべりの発生につながったり、といった危険性があります。地域全体の安全を守るためにも、農地を放置せず適切に管理・活用することが大切です。

活用・転用しにくくなる

農地の管理や手入れを怠ると、農地としての価値が下がる恐れがあります。また、環境の悪化や雑草の増加、害虫の発生などによって、いざ活用しようと思ったときに手入れの手間もかかってしまいます。このような場合、第三者に貸す、または売却しようとしても、借り手や買い手が見つからなくなってしまうかもしれません。そのため、日ごろから管理し、早めの段階で活用方法を検討しておくことが大切です。
放置された農地

農地活用でのビジネスアイデア5選【そのまま活用する場合】

先述の通り、農地には転用可能なものとそうではないものが定められています。転用ができない農地の場合、そのまま活用する方法として以下の5つの例が挙げられます。
・第三者に農地を貸す
・農家バンクを利用する
・市民農園を開く
・体験型農園にする
・営農型太陽光発電を導入する

第三者に農地を貸す

近隣の知り合いや親戚に農地を貸し出す活用方法があります。もともと信頼関係がある人であれば比較的安心して貸し出せます。農地の活用に迷ったら、周りに農地を必要としている人がいないか確認してみましょう。

農地バンクを利用する

農地バンク(農地中間管理機構)とは、農地を貸したい人から農地を借り受け、借りたい人への貸し付けを行う事業で、いわば農地の不動産管理会社のようなものです。これを利用すれば、賃料の回収や農地の管理を任せられ、手間がかからないうえに、農林水産省が取り組む事業で管理が公的機関であるため安心して貸し出せます。
●農地バンクについて詳しくはこちら
市民農園の開設

市民農園を開く

市民農園の開設は、周辺の住民に農地を提供することで農業や趣味に活用してもらう方法です。貸付方式と農園利用方式の2種類があり、貸付方式では法律の手続きが必要です。詳しい開設の手続きは以下の記事をご覧ください。
●市民農園の開設方法について詳しくはこちら

体験型農園にする

農業体験ができる体験型農園を作るのも有効な活用方法です。摘み取りや種まき体験の機会を設けることで、体験者が農業に興味を持つきっかけとなったり、貸し出す側も消費者の意見や体験者の感想を直接聞くことで、農業へのやりがいを改めて感じられたりするでしょう。また、体験費用を設けると収入を得ることも可能です。

営農型太陽光発電を導入する

農業だけでは高い収益が見込めず、やめることを検討している人におすすめなのが営農型太陽光発電です。これは農地に支柱を立て、その上に太陽光パネルを設置する方法であり、農業と発電を同時に行えるため、副業として発電事業を営めます。
営農型太陽光発電が導入された畑

農地活用でのビジネスアイデア5選【転用する場合】

転用可能な農地をビジネスとして活用する方法は、主に以下が挙げられます。
・アパート・マンション経営
・トランクルーム経営
・資材置き場
・高齢者向け施設の経営
・駐車場経営
住宅としての需要が高い地域では、アパートやマンションなどの賃貸住宅経営をする方法があります。ただし、建物を建てる手間やコストがかかるうえ、賃貸住宅経営の知識も必要になるため、事前の下調べや綿密な計画が特に必要な土地活用方法です。
アパート経営
トランクルーム経営は初期費用が比較的安く済みます。利用者は、大きな荷物を運ぶ場合があるので、車の出入りがしやすい場所に向いているでしょう。
農地を資材置き場として転用する場合、設備の設置が不要なことから、初期費用を抑えて早く土地活用を始められます。ただし、高い収益性が期待できない点には注意が必要です。
高齢者向け施設の経営も、賃貸住宅経営と同様に建物を建てる必要があり、高い初期費用がかかります。しかし、なかには補助金を利用できるケースもあるので確認してみるとよいでしょう。
駐車場経営は、大きな設備の設置が必要なく、安い初期費用で始められる土地活用方法の1つです。また転用性が高く、別の土地活用方法に変える際も少ない手間で済むため、お金と労力をかけずに土地活用したい方や、土地活用初心者の方におすすめです。今回ご紹介した、農地の活用方法について詳しくは以下の記事をご覧ください。
●さまざまな土地活用のアイデアに関する記事はこちら
●土地活用のおすすめランキングに関する記事はこちら
●空き地の土地活用方法に関する記事はこちら
●田舎の土地活用方法に関する記事はこちら
●面白い土地活用の方法に関する記事はこちら
農地を転用する場合、立地や需要を考慮して適切な活用方法を選択しないと、思うような収益を得られない恐れがあります。土地を駐車場運営会社に貸し出す、一括借り上げ方式での駐車場経営であれば、運営会社から毎月決まった賃料が支払われる仕組みになっているため、収益にかかわらず毎月安定した収入を得られます。また、駐車場の運営から管理までを駐車場経営のプロに任せられるので、手間がかからず、初心者でも簡単に土地を活用することが可能です。
●駐車場経営の初期費用や基礎知識に関する記事はこちら
●駐車場経営を成功させるためのコツに関する記事はこちら
●三井のリパークの駐車場経営に関するご相談・お問い合わせはこちら
駐車場経営

農地活用でビジネスを始めるならプロに相談しよう!

ここまで、農地活用でビジネスを始める方法として、そのまま活用する場合と転用する場合に分けて紹介しました。農地活用の際には、規制に従い、目的や土地のニーズに合った方法を選択することが大切です。
農地の活用で、手間をかけずに安定した収入を得たい方には、一括借り上げ方式での駐車場経営がおすすめです。三井のリパークでも、一括借り上げ方式での駐車場経営を承っており、管理や設備の設置にかかる費用は0円です。※2 まずは一度、お気軽にご相談ください。
また最適な農地活用の方法が分からない方は、三井不動産リアルティ運営の、土地の所有者と土地活用事業者をマッチングするサービス、「土地活用サービスALZO」を利用してみてはいかがでしょうか?農地の土地活用でお困りの方は、ぜひお問い合わせください。
●駐車場経営に関するご相談・お問い合わせはこちら
●土地活用マッチングサービスALZOについてはこちら
●土地活用マッチングサービスALZOに関するお問い合わせはこちら
出典1:「固定資産評価のしくみについて(土地評価)」、自治税務局 資産評価室
https://www.soumu.go.jp/main_content/000877475.pdf
(最終確認:2024年9月6日)
※2 立地等によってはお受けできない場合もございます。また、建物解体、アスファルト舗装、外構、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさまのご負担となります。
駐車場経営
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※立地等によってはお受けできない場合もございます。 ※建物解体、アスファルト舗装、外溝、固定資産税などの租税公課や町内会費はオーナーさま(土地所有者様)のご負担となります。
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